浦賀和宏『世界でいちばん醜い子供』
俺も、純菜に「さ・み・ち・い・の」って言ってもらいたい。プリーズ。
といきなり、痛いことを書いてしまいました。
さて、本作は「松浦純菜(八木メエェ剛士)」シリーズの第6弾。どの程度ファンがいるのかは不明だが、少なくとも私のような一部の人にとっては、待望の続編である。
(以下、ネタバレ込み)
前作『さよなら純菜 そして、不死の怪物』では、純菜は一切登場せず八木の妄想と煩悶と爆発が描かれていた。本作では、前作とは対称的に八木が直接描かれることはなく、純菜視点のみで描かれる。
その描かれっぷりが凄い。今までは、寡黙で悲しげな少女だった純菜のイメージを払拭させる、はっちゃけぶりである。
「さみちいの」「ってツッコミはなしよ」「アイ・アム・ア・ベリー・ラブリー・ガール」には、笑った。
また、前作では八木の内面描写で、同じことが何度も書いてあり、読者的にはややうんざりであったのだが、今度は純菜でそれをやっている(WWW
もう一人の自分(正確には義手)との対話は、エヴァのようですな(W
八木と同様に、妄想の炸裂っぷりも凄い(趣味だそうだ)。
ところで、前作の「衝撃のラスト」の後、いったいどうなったのか?と非常に気になっていたのだが、なんだか普通に暮らしてるじゃん、八木の野郎。マリアとよろしくやりやがって(WWW まあ、いいや。
まとめ。
本作は、シリーズ全体として、大きくは進行していない。はっきりいって「どうでもいい」という風にも思える部分がある。
ただ、①苦難を乗り越えた八木と純菜の距離を近づかせる(どうせまた次作では、うまくいかなくなるだろうが)②純菜の『力』の初出」という二つの役割を担っている。そういう意味では、シリーズが終了したあとで、深みを持ってくる一冊といえるかもしれない。
また、1作目2作目のように、単独でも一応ミステリーとして成り立っている点はなかなかだと思う。
次作、『墜ちた天使と金色の悪魔』が今から楽しみである。
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