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最近読んだもので、超おすすめ(万人向け)

« 創聖のアクエリオン Vol.4 | トップページ | プレステ3はなぜ失敗したのか? »

高嶋哲夫『M8(エムエイト)』

石黒耀『死都日本』に続き、またまたクライシスノベルを読んでみた。最近、文庫化されたため、電車の中吊りで広告を見かけた人もいるのではないだろうか?

本作は、マグニチュード8の首都直下型地震を扱っている。折しも、巨大台風が首都を直撃したばかりだ。自然災害にどう向き合えばいいのかを、改めて考えさせられた。

小説の出来としては、石黒耀『死都日本』に比べれば、十分にマトモなプロの作家の作品だとは感じた。ただ、その一方でクライシスノベルの限界的なものも感じた。
やはり、この手のものは、映像作品には勝てないのかと……
※別の機会に、オススメクライシスムービーを紹介する。

地震が発生するまでは、本作の主人公とでもいうべき地震学者・瀬戸口による「地震を予知した」件についての騒動が続く。非常に長くちょっと退屈をさせられる。
地震が発生すると、複数のキャラの視点で、ポイントを押さえたスピーディーな描写となっている(ただ、前半で活躍した瀬戸口の陰が薄くなっている)。
そんなこんなで、普通に楽しんで読めるし、出てくる専門知識やリアル描写も凄いと思うが、小説としては普通の出来である。

ただ、終盤に出てくるメッセージはかなり印象に残るものがある。
いかに、防災が大切であるかということ。
本作では、直下型地震の経済損失を、日本の年間予算に匹敵するものとしている(約82兆)。82兆円の数パーセントの数パーセントを使って防災対策をしておけば、82兆もの経済損失はないはずだ!というあたりは、その通りだと思う。
しかし、「防災では選挙に勝てない」というわけだ。
このあたり、なんとかならないかと思うわけだが、おそらく無理だろう。
※健康問題においては、「病気になって金を使う」前に、「健康を維持することに金を使うべき」という考え方が生まれつつある。

ちなみに、本作のリアル描写として以下のようなセリフがあった。
瓦礫を片付ける消防隊員のセリフ。
こういう中途半端な壊れ方が一番迷惑ですね。いっそ全壊で粉々ということになればいいいんですが」
人前では言うな。ビル内外で死傷者が七十名以上出ている大惨事だ
(ハードカバー単行本 P255より)

避難所などでもセリフ。先日の新潟の地震でも問題となっていたが、ライフライン(特に水)が途絶えることによる、衛生面(特に排泄関係)は深刻だ。
ここではウンチは禁止になっているのよ。水洗の水が流れないんだ。ウンチは校庭の穴の方でね
(ハードカバー単行本 P297より)
ここでは小だけにしてください。ご協力、お願いします。トイレの水は切っています。流れません。現在、断水中です。復旧はいつになるか分かりません。屋上のタンクの水には限りがあります。どうしても我慢できない人は、隣のビルの列に並んでください。そっちは大専用です
(ハードカバー単行本 P297より)

M8 (集英社文庫 (た61-2))
M8 (集英社文庫 (た61-2))高嶋 哲夫

おすすめ平均
stars地震対策の未熟さに対する警鐘本
starsさすが東京都知事
stars読んでいて確かに怖くなる。

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