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海堂尊『死因不明社会-Aiが拓く新しい医療』

医学系ミステリー『チーム・バチスタの栄光』 『ナイチンゲールの沈黙』 『ジェネラル・ルージュの凱旋』の「田口&白鳥シリーズ」で一躍人気作家となった海堂尊によるノンフィクション作品。しかも、理系の専門書である<講談社ブルーバックス>。

本書は、上記フィクションでも登場する「Ai(エーアイ)」についての啓蒙書といえよう。フィクションで語るだけでは物足りないと感じたのだろう。
小説で白鳥を通じて述べていることは、海堂尊の持論であったわけだ。
このあたりのやり方は、久坂部羊 と似ているね。

本書で述べられてることは、
日本の解剖率は2%。少なすぎる!大変嘆かわしい。この現状を作ったのは、厚労省(旧厚生省)の官僚らだ。解剖は金がかかるだけで、儲からない。カッコもよくない。天下り先も作れない。解剖こそ医学の礎であり、また人権尊重のためにも(体表の観察では正確な死因を特定できない)、この状況は変えなくてはならない。そこでAiを取り入れた「死体検索」提案したい!
といったもの。これは、まえがきに書いてあることだが、要旨をまとめるとこうなる。

本書では、「田口&白鳥シリーズ」ファンのために、面白い工夫がされている。
白鳥と別宮のインタビューで構成されたパート、また事例として東城大学を引き合い出すなど、ファンならそこそこ楽しめるはずだ。また、こういった工夫のおかげで、理解もしやすい(同じことが繰り返し書いてあるだけだが)。ただ、法律的な話、医学の専門的な部分などは、よくわからず退屈。また、厚労省などの官僚叩きに全面的に賛同できるかといえば、NO。ちょっと一方的過ぎる感あり。恨みでもあるのかと思わせるくらいだ。終盤は、退屈になってきて、適当に読み流した。

解剖の手順の記述については、大変興味深く読めた。誰もが、漠然としたイメージはあると思うが、実際はよくわかっていないはず。これを読むことで解剖についての知識がそれなりに深まる。ちなみに、解剖後の掃除は医師自ら行ってるらしい。

本書は「田口&白鳥シリーズ」ファンのための、ファンブックの一種と捉えることもできるかもしれない。装丁イメージも似ているしね。

なお、モノクロではあるが、腹部が切開され臓器がむき出しとなった写真、頭がい骨が取り除かれ大脳が露出している(しかも、一部頭髪付き)写真などが、掲載されている。この手のものに弱い人は、要注意。

■解剖の種類、解剖を行う医師の種類についてのまとめ
※本書を参考に、自分なりにまとめた。ミステリーが好きな人は、正確に理解しておこう!(間違ってたらごめん)

病理解剖(剖検) ……病院で病死した遺体などに対し病理医が行う解剖のこと。監督官庁は厚生労働省。強権力なし、予算なし、年間2万体。

系統解剖(正常解剖) ……篤志によるもの。大学医学部の解剖実習など、教育目的である。監督官庁は文部科学省。強権力なし、予算あり、年間5000体。予算あり。

司法解剖 ……犯罪関連の遺体に対して、裁判所命令で行う強制的な解剖(遺族承諾関係なし)。頭部解剖への強制力もある。監督官庁は法務省、警察庁。予算あり、年間5000体。

行政解剖 ……地方自治体で、死因不明の遺体に対して行う。病理医、法医学者が行う。なお、監察医制度のある東京特別区、横浜市など5つの自治体では、強制力がある。監察医制度の下で、解剖を行うのが監察医である。予算あり、年間1万体。監督官庁は各自治体となる。

※検視官…検視を担当する警察官のこと。日本ではこの役割は、普通の警察官が行っていると考えてよい。海外ミステリーでよくでてくる検屍官とは別もの。パトリシア・コーンウエルの作品がそうだったっけ。
※警察医…警察から嘱託され、主に検視などを行う医師のこと(たぶん)。
※監察医…監察医制度の下で行政解剖を行う医師のこと。

死因不明社会 (ブルーバックス 1578)
死因不明社会 (ブルーバックス 1578) 海堂 尊

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starsまさに母の死はあやしかった、、、
stars死して屍拾うものなし
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世論が主体となって医療問題を考える時期に来た。 [続きを読む]

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