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貴志祐介『新世界より』

ずーいずいずっ殺ばし、脳味噌ずい。茶壺に追われてトッピンシャン。抜うけたーら、どんどこしょ。裸のネズミが、泡食ってチュー。あソレ、チューチューチュー(下巻 P247より)

4年ぶりとなる、ファン待望の新刊。ハードカバーで1000ページを超える大作。
1000年後の日本のある町を舞台にした少年少女の一大冒険譚だ。
2日で一気読みをしたので、かなり疲れた(W

(今、この感想は、他のネットの書評などは一切見ていない状態で書いているのだが)
「サバイバル」要素が強いため、『クリムゾンの迷宮』を思い起こした人が多いのではないかと思う。
また、貴志版『猿の惑星』なんて思いながら読んだ人もいるのではないだろうか?
本作は、そんな世界観を持った作品だった。

さて、細かい部分は後述するとして、先に結論を書く。
面白い。
貴志ファンなら、読んでください(言われなくても、盲目的に読むと思うが)。

ただ、あまりにも期待が大きいだろうから、そのあたりは多少差し引いて考えないといけない。
私的には、『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』と同じような感覚だった。
十分に面白いけど、めくるめくような面白さとまではいかない。
また、些末な謎が残るし気がするし、ラストもウォ〜!というほどではない(一応のものはあるが)。読了後何となく空虚な気分にもなる。内容の割には、無駄に長い気もする。

しかし、『硝子のハンマー』のようなガッカリ感はない。
また、随所に見られる「貴志節」ともいえる表現やアイデアが登場すると、これが紛れもなく貴志祐介作品であると再認識できて嬉しくなるはずだ。とにかく大変な力作だ。
十分にファンの期待に応えたといってよいのではないだろうか?
迷っている人は是非本書を手に取ってもらいたい。

(以下、ネタバレ含め細かく書いていく。すでにややバレしているが)

Ⅰ 若葉の季節(少年期 祝霊〜夏季キャンプ)
全人学級はハリー・ポッターだなぁ〜とか、多数登場する不思議な生物(後に呪術の遺漏によるDNA変化であるとわかる)がすごいなぁ〜と思いながら読んでいたわけだが、
「ミノシロモドキ(国立国会図書館つくば館)」の登場は驚いた。
ここで「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!」と快哉を叫びたくなった。
そして、1000年前の出来事が語られる。このあたりは非常に面白い。

※「1000年前」からの歴史を簡単に整理すると以下のようになる。
①九日間戦争②PK略奪者の衰退③PK君主による王朝④PK君主による王朝の衰退⑤非能力者の奴隷や狩猟民による反乱⑥科学文明の継承者(PK能力を持つ)グループの台頭⑦科学文明の継承者によるバケネズミ生成、攻撃抑制と愧死機構の組み込み

このあたり、最後まで説明が中途半端なものもある。たとえば、<主人公たちの祖であるとされる科学文明を選んだ集団がどうなったか?>ということ。その後本文中に「文書が焼失した」と書かれており、最後まではっきりと描かれていない。
時系列がうまく整理できず、ぼやけてしまうが、簡単に整理すると上のようになるのではないだろうか?
愧死機構の研究などは、九日間戦争以前から研究されていたようだが。

Ⅱ 夏闇(少年期 サバイバルwithバケネズミ)
バケネズミについては、顔が豚っぽいということなので、FF12(イヴァリース)に出てくる「シーク族」(「豚」から進化した)をイメージしながら読んだ。まさに、『猿の惑星』『スターシップ・トゥルーパーズ』だ。

Ⅲ 深秋(少年期 瞬の業魔化)
終盤、「業魔」や八丁標の正体が明かされる。すばるが愛おしい。

Ⅳ 冬の遠雷(少年期 真理亜と守との別離)
なんか守むかつく(W
出来が悪い奴を、不浄猫(ネコダマシ)に襲わせるというのは、ストレスなどから「悪鬼」化を防ぐためと解釈してOK? いや「業魔」化か?

Ⅴ 劫火(10年前 バケネズミとの戦闘)
壮絶なる死闘が描かれる。アクション・バトルシーンはなかなか巧い。
ところで、大雀蜂虐殺の際、何らかの証拠隠滅が行われたようだが、それはなぜ? 悪鬼の仕業に見せかけようとしたのか? 見せかける必要がないし?このあたりよくわからず。
あと「サイコ・バスター」は、人を殺める実感に乏しく攻撃抑制に抵触しないとあるけど、これで愧死機構が発動しないという説明は無理がないか?

Ⅵ 闇に燃えし篝火は(10年前 東京地下での悪鬼との対決)
このサブタイトルは西村寿行の『闇に潜みしは誰ぞ』から着想を得たんじゃないか?と勝手に思っている。
475ページで、奇狼丸が泥と糞を塗りたくって臭いを消していた理由がわからない(W
バケネズミについての意外な秘密が語られる。どんでん返しってほどの驚きはないなあ(W
ラストの一文は、ビミョウにズレているような(W

最後に、どうでもいいことかも知れないが、個人的に気になる点を一つ。
なぜ「呪力」なのか?という点である。なぜ超能力をあえて呪力と表現したのか?
本文中に呪力の発動プロセスが、古代の呪術に似ているといった表現が出てくる。また、仏教やキリスト教的なモチーフも多数取り入れられていることから、単純に作品の雰囲気作りのために呪力としたのだろう。
作品のテーマ性からも来ているのかもしれない。

ただ、呪力とは、呪われし力である(まず通常の力があり、それとは別にあるとされる禁忌な力ともいうべきもので、後ろめたいものだ)。
神栖66町の人たちは、日常的に力を使うにあたって、後ろめたい名称のついた力を使うことにどう思っているんだろう?なんて考えてしまったのだ。子供たちは疑問に思わなかったのだろうか? このあたり、きちんと説明してくれてたらよかったと思う。

新世界より 上
新世界より 上 貴志 祐介

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starsクリムゾンの迷宮以来の大傑作
stars世界観に浸る小説
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新世界より 下
新世界より 下 貴志 祐介

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stars先が読めないだけに怖かったです!!

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コメント

闇に燃えしかがり火は…
の部分は遠き山に日は落ちての歌詞から取ったんだと思いますよ

あ!その通りですね。
「新世界」の歌詞を完全に無視してました。
一人勝手にトンデモ解釈してました。

ビーケーワンのTBからやってきました。
「硝子のハンマー」には私もがっかりしたのですが、本書は非常に楽しかったです。
そういえばおっしゃるとおり「クリムゾンの迷宮」テイストもあるな、と貴ブログにて気づかされました。

PNUさん、はじめまして。コメント有り難うございます。

そうですね、わけのわからないところでのサバイバルな行程というのが、「クリムゾン」っぽかったですね。

本作については、皆さん、部分的にやや物足りないなどといった不満があると思います。
しかしそれでも、やっぱり貴志先生の作品は面白い!という感じだと思います。
次回作がいつでるか、わかりませんができるだけ早くしてもらいたいところです(笑)

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  asin:4061826603 「新世界より」上下巻 貴志祐介(図書館)を読む。面白い。 北関東SF。大作。 少年少女が切磋琢磨して試練を乗り越えていくというと「エンダーのゲーム」が、そういう話だっけか。いや、なんか恩田陸「ロミオとロミオは永遠に」と「エンダーのゲーム」が... [続きを読む]

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