.(2009年読了)ミステリー

西村寿行『血(ルジラ)の翳り』

なんと、先日途中で読むのを挫折した『虎落笛』と内容がほとんど同じ(ある一家の家系を遡る&後半江戸時代)。
※刊行順も『虎落笛』の直後が『血(ルジラ)の翳り』である。

なんだけど、これは最後まで読めた。
犯人は誰なのか?動機は何か?という大きな謎がぶら下がっていたのと、エロ描写が非常に多かったことから、楽しく読めた(W
ロンブローゾの生来犯罪者説とか、そんなのがで出てくるお話。

本作を読んだことで、普段忘れがちな、
「犯罪事件が1つ起こるたびに多額の税金が投入される」
ということを思い出した。
皆さん、犯罪が起こるたびに金がかかるということをもっと意識しましょう。
(当然、予算に組み込まれているわけですが。
大きな事件で大量に捜査員が投入されれば、人件費(残業代などの手当て)を中心にメチャクチャ金がかかります)
犯罪者は、住民に金銭的な迷惑もかけているのです。
犯罪者に怒りの気持ちを向けましょう。
(市橋(井上康介)容疑者→護送だけでもむちゃくちゃ金かかってるぞ。それにしてもマスコミもホント糞だね。たいていはフリーランスのカメラマンだろう。顔撮った奴はいくらくらい貰ったんだろうね。とにかくうざい。公務執行違反、道交法違反っぷりが、同じくマスコミによって映像に記録されてるんだからさ、逮捕してくれよ)
→TBS社員が逮捕されたそうです。けど、社内的にはお咎めなしでしょうね。逮捕された奴の武勇伝となるでしょう。
→フジテレビの番組で職業差別と思わせる発言があり、それが2ちゃんなどで叩かれているというニュースが出てます。しかし、これは2ちゃんの総意ではなく、なんからの情報操作が2ちゃんでされたようです。

血の翳り (角川文庫 緑 407-35)
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角川書店 1982-04
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↓本作品の登場人物の系図(角川文庫 P327より)。
すごい複雑。寿行先生の創作力、想像力の凄さを感じる。
ちなみに、この系図はこの作品のネタバレでもあります。
Rujira

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×××挫折×××西村寿行『虎落笛』

たまに読みたくなるのが、西村寿行の小説。

本作のタイトルは、「もがりぶえ」と読む。風がピューピュー吹く音のことらしい。

というわけだが、途中で挫折した。
つまらん、かったるい。エロ描写も少ないし(W

本作は、死刑問題や人身売買といった社会派っぽいテーマを扱っている。
元検察官による、ある死刑囚(人身売買された身)の過去、祖先を巡る長い旅が描かれる。
後半部分は、江戸時代の話となっており、かなりのボリュームを裂いている。

ある一家の悲惨な歴史が淡々とつづられている。ドラマチックの要素もあるが、基本的には「成功した者とその奴隷」という構図が話が時代をかえて繰り返されるだけ。
祖先たち、皆が同じように酷い目にあっていたと言いたいのだろうが、さすがにやりすぎだろ。くどい。

時間の無駄であった。

虎落笛(モガリブエ) (徳間文庫)
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徳間書店 1983-01
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おすすめ平均 star
star陰!

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若竹七海『ぼくのミステリな日常』

短編連作集。タイトル通り「日常系ミステリ」である。
全く面白くなかった。

本作は比較的高い評価をされている作品である。これは、本作が短編連作という形をとりながら、最終的にあるカタチを生み出すという仕掛けがされている点にあるのだろう。
確かに、それはなかなか巧いと思った。
だけど、それぞれの短編があまりにもつまらない。
無意味に人物出しすぎでゴチャゴチャなのも×。

あと、この人、文章が巧いと評されているが、正直どこが巧いんじゃ?と思った。
文学的装飾(素材含む)や爽やかなタッチが良いということなのかな?
確かにそうかも知れない。
だけど、説明描写(人間関係、位置関係)がダメダメ。何を言ってるかわからない箇所が多数あった。

この作品が書かれた時、著者は比較的若い女性(30歳くらい?)だったというのが、今の過大評価につながっている気がする。

ぼくのミステリな日常 (創元推理文庫)
ぼくのミステリな日常 (創元推理文庫)
おすすめ平均
stars《日常の謎》と連作長篇という手法を融合させた記念碑的作品
starsGを感じたい!加速度オッケー!
starsこれが短編?
starsラストの仕掛け
stars最後の最後まで気が抜けない

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歌野晶午『絶望ノート』

いじめをテーマとした重い内容で、歌野晶午の新境地か?と思いながら読み進めた。
ただ、途中から妙に軽い部分があったり…… これ「デスノート」?なんて思い始めて……
で、ラストにゃあどんでん返しで(W
まあ、歌野晶午らしい作品だった。
面白いと思う。ただ、作品の出来としてはそれほど良いといえるものではない。
いくらなんでも、こりゃ子供(中学生)のセリフじゃねぇだろ!と思うのあるし(これには、本作最大のネタが絡んでいる部分もあるが)。

ところで、歌野先生は、他の作家より,、ネット(主として2ちゃん関連)のスラングの使い方がこなれている。
2ちゃん、ブログなどをチェックするタイプなんだろう。
ちなみに、オイネプギプト様は、「バモイドオキ神」様からきてるんだよね?

絶望ノート
絶望ノート
おすすめ平均
stars気持ちよく騙されました。
stars暗いんだけどさらっと読める不思議な作品
stars最後はおもしろいが・・・・・
starsなるほど
starsネタ仕込みが透けて見える欠点がこの作品にも出た

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P26下段6行目 ×張り出して→貼り出して だよね

あ、そうそう、本作中に出てくるSF小説はどれも名作ばかり。オススメである。

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歌野晶午『密室殺人ゲーム2.0』

『密室殺人ゲーム王手飛車取り』の続編である。
前作のネタバレ全開とのことなので、未読の方は注意。私は、前作の記憶が吹っ飛んだ状態で読んだので、何がどうネタバレしてるかわからず。たぶん、各「章(Q)」の間にある短い文章が意味を持ってるんだと思うが。

長編ではなく、短(中)編を集めた連作もの。
序盤はビミョウな印象を受けた。しかし、途中(Q3、Q4)からはとても面白くなる。楽しく読めた。Q3は、高木彬光の『人形はなぜ殺される』的でとても良い。

(以下、ネタバレ疑問)
「Q1」→殺人者たちはどのような手段でカレンダーのメッセージを確認してたの? 現場のカレンダーをデジカメ撮影→チャット、ということか?なんかちぐはぐ。
「Q5」→P253の頭狂人のみが知ってる「被害者を釣れた理由」とあるけど、これは「女だから」ということでOK?

密室殺人ゲーム2.0 (講談社ノベルス ウC-)
密室殺人ゲーム2.0 (講談社ノベルス ウC-)
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おすすめ平均 star
star前作品のリセット作ではない、かつ次作品も期待!
star正に現代人の御遊戯感覚

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連城三紀彦『夜よ鼠たちのために』

表題作ほか、全6本の短編を収録。
さすが!という感じ。凄いわ。

ところで、レポドラ日記というブログ(CBC)で、連城先生のお顔が拝めるわけだが、服装含めてちょっとみすぼらしい。もう少し偉い感じの演出してほしいなあ。

夜よ鼠たちのために―連城三紀彦傑作推理コレクション (ハルキ文庫)
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角川春樹事務所 1998-11
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おすすめ平均 star
star「意味と関係性の転倒」を魅せるミステリ
star切れ味抜群の短編集

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松本清張『張込み』

短編集である。安心して読める作品ばかり。
松本清張の人間観察眼の凄さを再確認させられる本であった。

張込み (新潮文庫―傑作短篇集)
張込み (新潮文庫―傑作短篇集)
おすすめ平均
stars短編集ですが読み応え充分
stars傑作推理短篇
stars清張の芸の旨味を感じる初期短編集
stars清張の芸の旨味を堪能することができる八つの短編
stars目からうろこの推理世界

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私が読んだのは新潮文庫版。光文社版とは収録作品が異なるようだ。

張込み―松本清張短編全集〈03〉 (光文社文庫)
張込み―松本清張短編全集〈03〉 (光文社文庫)

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深水黎一郎『花窗玻璃 シャガールの黙示』

(こんな言い方をしたら身も蓋も無いけど)全編に施された装飾が無駄というか、こんなの短編でいいじゃねーの、なんて思いながら読み進めた。ストーリーがシンプルというか、あまり動かないしね。

なんだけど、終盤になり、あっと驚くことが!(よくわからない部分あったので、ネットでネタバレの解説を見てしまったけど)
なかなか凄いと思った。完全に本格ミステリマニア向けの作品だけど。

どうでもいいが、実在する芸術作品や建物が出てくる本は、ネットで写真などを見ながら読むべしですな。

花窗玻璃 シャガールの黙示 (講談社ノベルス)
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講談社 2009-09-08
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大石直紀『爆弾魔』

サクサク読めるエンタメ小説。
スピーディーなのはいいけど、もう少し内面(心理)描写があってもよいかと思う。
新聞の日曜版連載ということで、「あえて」なのかも知れないが。

爆弾魔 (光文社文庫)
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おすすめ平均
stars一気に読みたい秀作

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三津田信三『凶鳥の如き忌むもの』

「刀城言耶シリーズ」の第2作。
前半は読むのが苦行。後半はそこそこ面白い。
よく考えられているとは思う。ラストのアレは余分だが。

というわけだが、なぜ前半(事件発生まで)が苦行かというと、
わからない、読みづらい、つまらないからだ。
まず、伝承や民俗学のうんちく話が多い。
これらが、わかりづらいのはまあ良しとしよう。
問題は、地形、位置(空間)関係の描写(説明)である。
前作『厭魅の如き憑くもの』もそうだったが、本作では著者が何を言っているのかが全く理解できない。
事件の舞台(設定)をイメージできる人がどのくらいいるのだろうか?と思う。

編集者は理解できたのだろうか?
読者の視点ではどうかと、考えなかったのだろうか?
もし、理解しがたいだろうと判断したなら、どうしてリライトをさせたり、見取り図などをつける工夫をしないのか?
※見取り図を作ろうと、編集部が外部のイラストレーターに依頼→イラストレーター、白旗あげる、なんてこともあったのかも知れない。

もしかしたら雰囲気づくりのため、わざとやってるのかも知れない。
「わかりづらい」→「難解」→「かっこいい」なんて勘違いしているのかも知れない。
いまどきこういうのは損するだけだと思うけどね。

きっと私がバカで読解力、想像力がないのだろう。
だけど、三津田の文章力、表現力にも問題があると思う。

これは難解なのではなく、単なる悪文だ。

あと、地名、人名は徹底的にルビを振ってほしかった(→講談社ノベルス)

↓講談社ノベルス版は、装丁がひどい。

凶鳥の如き忌むもの (講談社ノベルス)
凶鳥の如き忌むもの (講談社ノベルス)
おすすめ平均
stars《刀城言耶》シリーズの第二長編
stars「刀城言耶」のブランディングが分からない
starsラストに納得できない(ネタばれです、注意!)
stars直球勝負の不可能犯罪
stars理が勝ち過ぎている気が...

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↓原書房版は、装丁がかっこいい。村田修さんの絵は大正解だったね。ちなみに、こちらは書き下ろし短編付きらしい。

凶鳥の如き忌むもの (ミステリー・リーグ)
凶鳥の如き忌むもの (ミステリー・リーグ)
おすすめ平均
starsこちらも《人間消失》――書き下ろし短編「天魔の如き跳ぶもの」
starsまさしく、コレクターズアイテム☆

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福田和代『TOKYO BLACKOUT』

テロにより、東京(関東)全域が長時間に渡る停電(ブラックアウト)を起こす。
そんな非常事態を設定にしたクライムノベルだ。
そこそこ面白いのだが、ブラックアウトになってから展開がやや物足りないというか、緊張感に欠けるのが残念。

気になったのは、序盤、相当丁寧に説明してはあるものの、電力会社や発電、送電に関する専門用語が多くややわかりづらい点。
あと、実際の事件がモチーフとして使われている点(八王子スーパー強盗殺人事件、闇サイト殺人事件(愛知女性拉致殺害事件))。
エンタメでは、実際の事件の話が出てくることがある(オウム事件、酒鬼薔薇事件などが多い)。
事件が社会にもたらした影響力の大きさ、象徴性などを考えたら、必然かも知れない。
しかし、問題はその扱い方。
実際の事件は本当の被害者が存在する。
作家は、そのあたり慎重になる必要がある。
本作は、境界線を越えてしまっているのではないか?
被害者の家族が、本作のことを知ったら絶対不愉快な気分になる気がする。

総括。
力作だと思う。相当な取材をしたのだろう。(準)新人の作品としては十分に凄いと思う。
しかし、その一方、この作家の未熟さのようなものも感じられた。今後に期待したい。
※ちなみに、著者は青心社(関西の同人誌系の出版社)刊の『ヴィズ・ゼロ』で作家デビューした。

TOKYO BLACKOUT
TOKYO BLACKOUT
おすすめ平均
starsキャラ設定のみ惜しい
starsこのスピード感は捨てがたい。
stars日本の安全管理の盲点を見事に衝いたサスペンス
starsこれは非道い
stars電気は大切にね!

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初野晴『退出ゲーム』

いわゆる青春ミステリ。
短(中)編4本を収録。
装丁から想起されるものよりずっとコミカルな作品だった(重いテーマを扱ってるけどね)。
内容的には、可もなく不可もなくといったところか。
この著者の作品は初めて読んだ。
本作だけでは、著者の力と魅力がいまいち掴めない。
近いうちに、他の作品も読んでみようと思う。

退出ゲーム
退出ゲーム
おすすめ平均
starsちょっと変わった青春ミステリー
stars「ガチャピンをはねた日」は酸欠注意
starsライトノベルっぽい
starsこのミステリーがすごい!を読んで買いました
starsコミカルな学園ドラマとシリアスな社会派テーマが融合した青春ミステリ

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浦賀和宏『萩原重化学工業連続殺人事件』

浦賀さんらしい作品だった。
浦賀さんの渾身の一作という感じですな。
引き続き頑張ってください。応援してます。
にしても、このタイトル、吉と出るより凶と出るような……。

※ちなみに、これ「安藤直樹シリーズ」らしい(読んだ後知った)。安藤も出てこないし、ノンシリーズとしても十分成り立つかと。

萩原重化学工業連続殺人事件 (講談社ノベルス)
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北村薫、法月綸太郎、殊能将之、鳥飼否宇、麻耶雄嵩、竹本健治、貫井徳郎、歌野昌午、辻村深月『9の扉 リレー短編集』

9人の作家によるリレー小説。
北村薫(発起人)、法月綸太郎、殊能将之、鳥飼否宇、麻耶雄嵩、竹本健治、貫井徳郎、歌野昌午、辻村深月と、ミステリ好きにはたまらない作家が多数参加している。

この手の企画ものはロクな本がないが、本書もそう。
本気でつまらない。クオリティ低ッ!です。
小遣い稼ぎの片手間作業っぷりが伝わってきます。
壁投げ本です。

おそらく各作家は、他の人の作品を読んで「クソつまんねえ!」「ひどいな○○さんの書いたやつ」なんて思っているはずだ。すべては発起人であり、スターターである北村薫の責任でしょう(アンカーの辻村深月の作品が一番まし)。

本書に参加している作家の盲目的な信者なら、読んでもいいのかも知れない。
一般的なファン、ミステリファンは、失望するだけ。
これを面白いと思える人は、相当ハードルが低いですぜ。

9の扉 リレー短編集
9の扉 リレー短編集
おすすめ平均
stars最高の化学反応
starsリレーかな?
stars新しい!リレー短編集
stars趣向倒れに終わらなかった名手たちのジャム・セッション

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清水義範『こちら幻想探偵社』『ABO殺人事件』

西澤保彦のチョーモンインシリーズ執筆のきっかけの一つということで読んでみた。
ミステリーというよりは、SFだね。
「ミステリー的な推理を展開するが、実は犯人は超常現象を使えた」というパターン。
コミカルで読んでいて楽しい。
劇中に登場する「本格好き探偵」はギャグで使うのではなく、もっともっと気の利いた推理を展開させる役回りなら、もっと優れた作品になっただろうに。

なお、このシリーズは全部で12話あるとのこと。今回読んだ2冊は、そのうちの7話分に相当する。

こちら幻想探偵社 (ソノラマ文庫ネクスト)
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ABO殺人事件―こちら幻想探偵社 (ソノラマ文庫ネクスト)
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「ABO殺人事件」だが、ああいうオチなら、事故とか自殺に見せかける必要性がないと思うのだが……。

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岡嶋二人『殺人!ザ・東京ドーム』

東京ドームを舞台にした連続殺人が描かれる。
リーダビリティは文句なし。第3者が犯人に「仕掛け」ていくあたりも見事。
なんだけど、全体としてはいまいち。ラストもひどい。
内容的にも、岡嶋二人作品っぽくないんだよね。
まあ、駄作かと。

殺人!ザ・東京ドーム (講談社文庫)
殺人!ザ・東京ドーム (講談社文庫)
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おすすめ平均 star
star無邪気の恐怖
starスリリングな展開
starタイトル負け

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岡嶋二人『そして扉が閉ざされた』

2004年1月に読んだが、再読。
岡嶋作品では特に人気の高い作品である。核シェルターに閉じ込められた男女4人のサバイバル、そして彼らが過去に起こした事件の真相を巡るドラマ。
基本的に舞台は核シェルターのみ、あとは回想という形を取っている。一幕ものの演劇のような作品だ。

設定以外ほとんど記憶に残ってなかったので、再読したのだがいまいちだった。
いまいちだから、記憶に残らなかったのね。

(以下、ネタバレあり)
結局、何人かが「勘違い」してるというか「嘘ついてる」だけじゃん。
回想で語られる部分の情報の出し方が、なんだかなぁ~という感じ(うまく説明できない)。
もっと物理的、心理的に4人を追い詰めるような仕掛けがほしかったな。

そして扉が閉ざされた (講談社文庫)
そして扉が閉ざされた (講談社文庫)
おすすめ平均
stars極限状況下での推理サバイバル
stars過度に突詰めると嘘臭くなる典型
stars著者からの挑戦状
stars密室殺人ならぬ密室推理の異色作
starsスタンダードな推理小説。

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木下半太『悪夢の観覧車』

木下半太の小説作品の2作目。
観覧車という密室を舞台に、身代金目的の誘拐事件を描く。
(人質は、観覧車の乗客である。観覧車には爆弾が仕掛けられているのだ)

本作では、中盤に犯人たちの過去が描かれ、動機や犯罪行為の概要がわかるものとなっていた。これは、この著者がお得意とする二転三転するストーリー展開につながるものだ。
軽いのでスラスラ読めるし、終盤にはどんでん返し的結末があるなど、つまらなくはない。
ただ、どうも全体的に素人臭さがある。
Aという出来事が「犯人たちの計画のうち」なのか「犯人にとって予想外の偶発的におこったこと」なのか、このあたり読者にわからないように一生懸命頑張りましたYO。「偶然と見せかけて、必然」という風に、プロットをこねくりまわして、うまくつじつまあわせをしましたYO、といった感じの著者の必死さが伝わってきてちょっと恥ずかしい。
必要以上にいろんな事象を結びつけなくてもよいと思うのだが。いくらなんでも不自然すぎる。
ある程度割り切って考えたとしても、陳腐な印象が残ってしまう。
まあアンフェアでなかったのは、評価できるが。
ライトな読者層には高評価されるだろうが、小説を読みなれている人からは細かい部分で厳しい意見が出ると思われる作品であった。

悪夢の観覧車 (幻冬舎文庫)
悪夢の観覧車 (幻冬舎文庫)
おすすめ平均
starsこれは面白い
starsドキハラあり、しんみりあり、贅沢三昧読書派に!
stars小説初心者の方に是非!
starsぐいぐい引き込まれる。
starsまじで面白い!

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貫井徳郎『乱反射』

本作は、ミステリーではない。
ある幼児の死を巡る物語である。
その死に間接的に影響を与えることになる多くの登場人物の人生、生き方が丁寧に描かれる。

本作は、第141回直木賞候補になった作品でもある。
しかし、「庶民の平凡な生活の記述が長すぎる」とのことで落とされてしまった。
まあ、確かに長すぎるとは思う。
(元々週刊誌の連載小説なわけだが、余分な部分が多く物語りの進行が遅いため、連載時にまともに読んでいた人はあまりいないだろう)
だから、直木賞には適切でないだろう。
だけど、これがこの作品の持ち味でもある。
私は、貫井さんの本はどれも好きだし、本作も好きだ。余分多くていいじゃない!
(コアなミステリーファンから、ライトな読書好きまでにオススメできるいい作家さんだと思ってます)

乱反射
乱反射
おすすめ平均
starsカウントダウン方式の盛り上げ方がうまい!
stars面白かったですけどね、、、(少しネタばれ?)
stars被害者のやるせない想いが痛いほど伝わってきた
stars貫井徳郎の見る人間の姿
stars自己愛ゆえに

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東川篤哉 『ここに死体を捨てないでください!』

「烏賊川市シリーズ」第5弾。
楽しく読めた。ギャグも面白い(笑える)。
装丁デザイン(イラスト)も悪くない。このイラスト、一見爽やかなんだけど、実はブラックな要素満載。いろいろ発見があって面白い。
東川さんの作品は、これからもずっと読んでいきたい。

ここに死体を捨てないでください!
ここに死体を捨てないでください!
おすすめ平均
starsキレイに締まるラストと読後感が好印象

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薬丸岳『悪党』

薬丸岳といえば、過去の作品でも
「少年犯罪」
「犯罪者は更正できるのか」
「被害者の怒り、復讐」
「被害者は、何をもって赦せるのか」

といった重いテーマの作品を発表している。

本作の主人公(探偵)も、姉を強姦殺人で失った過去を持つ元警官である。
本作は(全7章からなる)各章で、犯罪前歴者の追跡調査(出所後を追いかける)が行われる。
そこで明らかになる、犯罪前歴者の今の姿。そして主人公と被害者家族が彼らにどう向き合うかが描かれる。

今までの薬丸作品と違うのは、本作ではトリックはプロットの妙よりも、犯罪者や被害者の内面に踏み込むことに比重が置かれている点だろう。
また、構成がドラマ的、アニメ的手法とでもいうのだろうか、全7章は「全7話」という表現が適切だろう。
各エピソードで個別の事件を描きつつ、少しずつ明らかになる主人公の仇敵たちの姿。そしてラスボスとの対峙に向けて、物語が進んでいく。
※これは、本作は書き下ろしではなく雑誌連載ものということもあるだろう。

私的に残念なのは、クライマックス部分はいまいち物足りない印象が残った点だ。もう少し別の方法にしてほしかった。それ以外は文句なしで面白い。
(ネタバレ気味だが)エピローグ、決して消えることのない闇の中、一筋の光が見えたことは、物語の締めくくりとしてよかったと思う。冬美、そしてゆかりにとっても。

悪党
悪党
角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-07-31
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おすすめ平均 star
starどんな姿を見たら赦せると思えるのか
star被害者感情からの目線

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※アマゾンのリンク先に、著者自身による紹介ビデオあり。
   初めて、1人称で書いた小説とのこと。
  どうでもいいが、あまり、喋りなれてない感じですな(W

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霞流一『夕陽はかえる』

漫画っぽい作品だった。
アクション(活劇)メインで、不可能犯罪モノの本格要素を入れたという感じ。
(アクションシーンにはギャグも入っている)
この手の作品が好きな人には、高く評価されるんじゃないかな。
私的には、いまいちだった。
プロット自体があまり面白くないし(なんだか素人くさい)、事件の真相も今ひとつに感じた。
1つ目の事件の真相は、小説ならではのトリックが入っているわけだけど、なんだかな~と。
2つ目の事件の真相は、ちょっと面白かった。
※ちなみに、P276で、被害者(鈴淵)が本棚を動かしたことを否定してるんだけどねえ。そのあたりのフォローなしかよ。

ところで、著者の霞流一って元東宝の人なのね。勤務しながら、小説執筆してデビューとのこと。作家デビューしてからも東宝に勤務してたっぽいね(2001年退職してる)。
東宝ってこういう人多いよね。才能ある人が集まってるんだね。

夕陽はかえる (ハヤカワ・ミステリワールド) (ハヤカワ・ミステリワールド) (ハヤカワ・ミステリワールド)
夕陽はかえる (ハヤカワ・ミステリワールド) (ハヤカワ・ミステリワールド) (ハヤカワ・ミステリワールド) 小塚 麻衣子

早川書房 2007-10-05
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岡嶋二人『タイトルマッチ』

元ボクサーの子供が誘拐された。
ただ、誘拐事件といっても、犯人の狙いは身代金ではない。
誘拐犯の要求は、ボクシングの試合でノックアウトで相手に勝つこと。
(わざと負けろ、ならありがちだが)
そんな一風変わった誘拐ミステリー。

誘拐犯とのやり取り(警察の捜査)はもちろん、本作ではボクシングの試合描写もなかなか楽しめた。
ボクシング業界の裏事情も知ることもできる。
とにかく面白いので、読み始めたら止めることはできないだろう。
ただし、(これは岡嶋二人作品全般にいえることだが)ラスト(真相)がいまいちで、読了後の物足りなさというか、ガッカリな気分になることも必然である。
※警察がアホだし。

タイトルマッチ (講談社文庫)
タイトルマッチ (講談社文庫)
おすすめ平均
stars「タイトルマッチで相手をノックアウトで倒せ」という意外な誘拐の要求
starsタイトルマッチ当日の緊迫感、試合の臨場感ある描写などは見事
stars極限の三日間
stars文句なし
stars誘拐ものミステリには定評のあった著者、おもしろいにきまってます

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岡嶋二人『どんなに上手に隠れても』

岡嶋二人お得意の誘拐もの。
アイドルタレントがテレビ局から誘拐され、1億円が要求される。
犯人やアイドルの取り巻きたちの行動が派手でなかなか面白い。一気に読める。
一昔前なら、本作で描かれる方法で身代金を入手できそうだ(W

以下、ビミョウに不満を感じる部分(ネタバレあり)

●長谷川が土倉に写真を撮らせたのは派手な演出のためだろうが、リスク高すぎだろ。
●ヘリコプター、タレコミ電話なども、「派手な演出」のためっていうのは……。まあ、作品というか犯人の設定を考えれば、理解はできるが。
●あと、タイトルが今ひとつだね。

どんなに上手に隠れても (講談社文庫)
どんなに上手に隠れても (講談社文庫)
おすすめ平均
stars大胆な手口に翻弄されます。
stars読んでいる最中は面白いのだが…
stars他の作品と比較してしまうので
starsお気に入りの作品なので甘め評価で☆5つ
stars傑作アクション推理小説

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三津田信三『厭魅の如き憑くもの』

「刀城言耶シリーズ」の第1作。
三津田信三の作品は、以前『ホラー作家の棲む家 』(デビュー作)を読もうとしたことがある。しかし、あまり面白くなくて途中で挫折してしまった。
そのためずっと三津田作品は避けていた。が、この「刀城言耶シリーズ」が大ヒット、大化けしたということで、かなり気になっていた。
「刀城言耶シリーズ」は、三津田信三がこれまでの積み重ねを全力で投入、民俗学の薀蓄などがこれでもかというほど書き込まれた大作、力作である。
今回、文庫版で読んだが、装丁デザイン(および装丁画)が非常によい。また本扉、目次も丁寧なデザインが施されており、購買意欲を起こさせるものとなっていた。

*****
本作は、人間関係および位置関係(地理描写)が非常に複雑である。
巻頭などに、系図(人物相関図)、舞台マップ、家屋見取り図が入っているものの、かなりわかりづらい。
これは、作品の世界観のために意図的になされたものだろう(本作の最大のネタに関わることでもある)。
ただ、読んでいる途中この難解さは、著者の筆力に問題があるのか、単に読者の読解力不足が原因か区別が付かず、読者に「理解の放棄」をさせてしまうことになる。
こういった点が非常にビミョウに感じた。

*****
あと、プロット自体がそれほど面白くない。キャラもいまいち。
また、密室のようなものが登場していても、その設定が甘く抜け道が多数あるように感じたのも残念である。
真相自体もそれほど驚くようなものではなかった。

*****
大作・力作だと思うが、完成度という点では今ひとつな印象は拭えない。
ただ、編集者や読者に「刀城言耶シリーズ」を続けて読んでみたいと思わせるには、十分なクオリティがある作品であることには間違いない。

厭魅(まじもの)の如き憑くもの (講談社文庫)
厭魅(まじもの)の如き憑くもの (講談社文庫)
おすすめ平均
stars綿密な民俗学的調査の下、独自の世界を築きあげた魅惑的作品
stars騙りの妙と多重解決の魅力
stars地図が入りました
starsSAN値がゼロに

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厭魅の如き憑くもの (ミステリー・リーグ)
厭魅の如き憑くもの (ミステリー・リーグ)
おすすめ平均
stars《刀城言耶》シリーズの第一作
stars読みづらさも怖さのうちか
starsまとわり付く視線
stars民族学とホラーと本格の巧みな融合
stars「蛇」シリーズ?

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木下半太『悪夢のドライブ』

木下半太の小説作品の3作目。本作もコメディだ。

『悪夢のエレベーター』は、「台本以上小説未満」という感じの作品だったが、本作ではしっかりとした小説になっていた。ストーリー展開に疾走感があるため、一気読み必然。ギャグが滑ってないのもよかった。

ただ本作の主人公は、関西人(売れないお笑い芸人)である。このあたり抵抗のある人もいるかも知れない。私もそのタイプの人間であるが、本作は問題なかった。著者によっては楽しく読めるものもあると認識。

十分に面白かったが、ストーリー処理で気になる点がいくつかある。以下、列記する(ネタバレ要素があるので注意)。

●終盤、複雑な展開の割りに、解決法が荒っぽいというか素っ気無い。例えば、石峰がダイアモンドを簡単に諦めるところなど。
●エピローグ1は、さすがに無理があると思う。一連の出来事は、偶然、運などにも左右されているはず。どんでん返しの連続なのはいいが、構造美に欠ける。パクの復活とかもなあ。語り手桜の山田に対する気持ちの記述は、アンフェアだし。
●夢野の持っていた偽のダイアモンドは、結局どう使うつもりだったのか?
●熊川が『ビクトリー』に行った際、どうして石峰は席を外したのか? 猫多は「熊川、夢野、石峰の3人で話せるように段取りをつける」と発言している。すごく不自然。
※ちなみに、偽のダイアモンドが登場した際に、熊川らは石峰と夢野の共犯関係を推測する。
※この作品をマンセーしている人は、このあたり正確に理解できているのだろうか?単に私がバカなだけか?


どうでもいいが、幻冬舎文庫の「解説」って要らないよね。

悪夢のドライブ (幻冬舎文庫)

悪夢のドライブ (幻冬舎文庫)


おすすめ平均
starsうまいこと映像化してほしい、と思わせる本でした
stars軽快なボケとつっこみの応酬
starsエレベータ、観覧車に比べると...
starsいや〜参った
stars雑なスピード感が一気に読ませます。

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悪夢のドライブ
悪夢のドライブ
おすすめ平均
starsエンタメの星
starsエピローグはいらなかったかも。
stars個性的な登場人物によるドタバタ劇
starsコメディ仕立ての冒険活劇
starsこんな笑い、ドンデン返しを待ってました!

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木下半太『悪夢のエレベーター』

著者は、劇団ニコルソンズ(チームKGB)という劇団の主催者。
本作は、ブログ掲載していたものをまとめたもので、ドラマ化もされ、さらに映画公開も予定されている。なんと26万部も売れたそうだ。

エレベーターというシチュエーション・コメディ(サスペンス)で、セリフ回し(ビミョウにギャクが外れている)ところなども、いかにも演劇人の作品という感じた。
悪くは無いが、ありがちな作品という感は拭えなかった。
エレベーターに閉じ込められた(?)人々の悲劇?を描いたもので、キャラ設定は空き巣、自殺志願者、オカマ、超能力者と、誰でも考えそうなものばかり。
ま、サクッと読める、軽く楽しめるという点ではいいかな。
小説というより、「台本以上小説未満」の読み物であるが。

ちなみに、本作は文庫も発売されているが、今回新書版で読んだ。
新書版では、セリフ部分はフォントが変えられてたりと、かなり凝った造りとなっている。
この新書版の発行元は幻冬舎メディアコンサルティングである。
なんでだろ?と思ったら、巻末にQlepブログの宣伝がある。
ああ、そういうことかと(W
(私は、Qlepという会社(サービス)自体知らなかった)

■悪魔のエレベーター 第4章、第5章
 ※ブログで続編を公開している。
 http://blog.qlep.com/blog.php/114535

■映画のサイト
  http://www.akumu11.jp/

悪夢のエレベーター―Nightmare after a Secret
悪夢のエレベーター―Nightmare after a Secret
おすすめ平均
starsかなり力業やけど
stars舞台・演劇の台本のような小説
stars意外性は抜群。
starsもう一度読み返したくなる
starsWebからやってきたそうです

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悪夢のエレベーター (幻冬舎文庫)
悪夢のエレベーター (幻冬舎文庫)
おすすめ平均
stars意外性?
starsやられました(笑)
stars密室エンターテイメント
stars途中
stars気安いエンタメ

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岡嶋二人『眠れぬ夜の報復』

『眠れぬ夜の殺人』の続編(というか、同シリーズ)。
面白いことに間違いないのだが……。

眠れぬ夜の報復 (講談社文庫)
眠れぬ夜の報復 (講談社文庫)
おすすめ平均
stars岡嶋二人円熟期の佳作

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岡嶋二人『眠れぬ夜の殺人』

貫井徳郎に『失踪症候群』執筆のきっかけを与えた作品。
バツグンのリーダビリティで、ページを繰る手が止まらなくなる。
ストーリーが進めば進むほど、謎は増殖し、非常に面白い。
ただ、ラストが今ひとつだったのが、残念。
文庫版の解説では、前述の貫井徳郎が担当しているが、そこで貫井も書いているように、本作を読めば他の岡島作品も読んでみたいと思うようになることは間違いない。

眠れぬ夜の殺人 (講談社文庫)
眠れぬ夜の殺人 (講談社文庫)
おすすめ平均
starsストーリー展開の魔術師!

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失踪症候群 (双葉文庫)
失踪症候群 (双葉文庫)
おすすめ平均
stars砂の果実
starsまるでスパイ映画
stars症候群シリーズ第1作
stars自分自身から逃げてはいけない!
stars症候群3部作の1作目

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北川歩実『透明な一日』

力作だと思うけど、あまり面白くないねえ。壮大な失敗作という感じ。
メインのネタは、ゲーム『ミステリートPORTABLE 八十神かおるの挑戦!』でも登場した「前向性健忘」である。
まあ、それは良いだろう。
ただ、その他の設定、キャラクター、作品の雰囲気が、北川歩実作品の他の作品に似すぎ(というか、どの作品も似すぎ)。物語はいまいち盛り上がりどころもなく淡々と進む。
真相は二転三転する複雑な造りとなっており、よく考えられてはいると思う。
だけど、なぜかあまり面白くない。読むのがしんどかった。
長編としてはあまりにも全体が地味なのでは?と思う。
人物が多過ぎるのもどうかと。

透明な一日 (創元推理文庫)
透明な一日 (創元推理文庫)
おすすめ平均
stars永遠に続く一日とは...

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北川歩実『天使の歌声』

短編集。結末が二転三転するのはいいが、いまいち面白くなかった。

天使の歌声 (創元推理文庫)
天使の歌声 (創元推理文庫)
おすすめ平均
starsテーマは親子
starsまるで別人が書いたような〜短編には向かないのかも

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北川歩実『もう一人の私』

短編9本を収録。各短編はそれぞれクローンや入れ替わりなど、表題の「もう一人の私」にちなんだテーマを扱っている。

あまり期待しすぎて読むと残念なことになる。
「替玉」という作品はなかなか良かった。

どうでもいいが、北川歩実という人は専業作家という感じではない気がするね。本職は何をしてるんだろう?大学の研究員とか、そんな感じかしら?

もう一人の私 (集英社文庫)
もう一人の私 (集英社文庫)
おすすめ平均
stars自分というものの不確かさ

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西澤保彦『ソフトタッチ・オペレーション』

(2009年9月現在で)チョーモンインシリーズの最新刊(文庫版なし)。

表題作の中編(書き下ろし)ほか、短編を4つ収録。
かなりひどい……。もうだめぽ、な感じ。

ソフトタッチ・オペレーション (講談社ノベルス)
ソフトタッチ・オペレーション (講談社ノベルス)
おすすめ平均
starsがっかり
stars哀しいまでの下降線
starsファン待望の新刊

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西澤保彦『生贄を抱く夜』

こちらも短編集。どれも番外編という感じで、毛色が少し異なる。
念写を扱った「動く刺青」はやや面白かったが、それ以外はいまいち。
動機がちょっと無理ありすぎではないか?
あと、エロ描写、レズ関連の話とかやめれと。

生贄を抱く夜 (講談社文庫)
生贄を抱く夜 (講談社文庫)
おすすめ平均
stars偏愛的作家。
stars毒あり笑いあり

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このシリーズばかり立て続けに読んでいたら、さすがに飽きてきた。
このブログを見てくれてる人も、飽きてきてるよね。

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西澤保彦『人形幻戯』

これもチョーモンインシリーズの短編集。

いまさらだが、このシリーズがいま一つ、いやいま二つヒットしないのは、装丁デザインやイラストにも問題があるような気がしてきた。
確かに水玉蛍之丞のイラストは可愛いとは思う。
だけど、完全にラノベの方向性からはズレてるし、なんか古い感じがしちゃうんだよなあ。
ノベルズ版の装丁(イラスト)はひどい。

人形幻戯 (講談社文庫)
人形幻戯 (講談社文庫)
おすすめ平均
stars超能力色々
stars瞬間移動、物体浮遊・・・超能力をロジカルに、人間臭く。
starsファンには残念

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西澤保彦『転・送・密・室』

チョーモンインシリーズの短編6編収録。良くも悪くも西澤保彦らしい作品ばかり。
雑談が多い(枚数稼ぎか?)のがちょっと気になったが、これも本シリーズらしいところである。

転・送・密・室―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
転・送・密・室―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
おすすめ平均
stars超能力の使い方
starsよかったです

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西澤保彦『夢幻巡礼』

「チョーモンイン」 シリーズの番外編。かなりの長編である。
全体にダークな雰囲気が漂う。
マザーコンプレックスだのエディプスコンプレックスだの、その手の心理学話がややうざかったが、全体としては結構楽しめた。
情報量が多く、人間関係が複雑なため、頭のいい読者でないと、謎が解明されてもビミョウにもやもやは残ると思われる。
それにしても人が死にすぎ(W

夢幻巡礼 (講談社文庫)
夢幻巡礼 (講談社文庫)
おすすめ平均
starsサイコキラー
stars魅力的な予告編
stars番外編!

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西澤保彦『念力密室』

神麻嗣子の超能力事件簿(チョーモンイン)シリーズの第3弾にあたる。

表題作ほか、全6作の短編を収録。
本作の短編のうち5作は、「サイキックで施錠し、密室構成」という前提で、何故、誰が、何のために、それを行ったのか(不可解な状況にしたのか)?について、推理を行うものとなっている。

ところで、
たとえば、「不自然なかんがある」「大物な感のある」という場合の「かん」だが、私はずっと「感」だと思っていた。が、「観」だったのね。英語(look like)で考えれば、そりゃそうかという感じ。
このブログでも、「○○な感がある」と間違いまくりで使ってきた。面倒だから、直しませんが。

念力密室!―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
念力密室!―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
おすすめ平均
stars《神麻嗣子の超能力事件簿》シリーズの第一短編集
stars超能力トリック
stars超能力事件簿
stars密室事件の概念を変えた超傑作短編集
starsたんなるキャラ萌えと思ったら大間違い

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西澤保彦『実況中死』

神麻嗣子の超能力事件簿(チョーモンイン)シリーズの第2弾にあたる。
他人の視覚を獲得する、要するに誰かが見ている映像が自分の脳内に入ってきちゃうというお話。
このネタ自体は、メフィスト賞作品の佐藤友哉『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』などでも使われてたっけ?

というわけだが、ちょっと長すぎるね。
同人誌サークルうんたらや、神麻嗣子や能解匡緒の恋愛感の話も多すぎる。
オチも今ひとつ。構成がかなり捻って作られているだけに、残念。

どうでもいいが、嗣子のセリフに「両刀使い」なんてのがある。顔を赤らめて「はしたないことを言ってしまいました」なんてフォローが入るかと思いきや、そのままスルー(W

実況中死―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
実況中死―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
おすすめ平均
starsなるほど
starsこれは怖いなぁ、なんていうかありそうで怖い。

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西澤保彦『幻惑密室』

「神麻嗣子の超能力事件簿(チョーモンイン)」シリーズ、第1弾。
本シリーズは、清水義範「幻想探偵社」シリーズに触発されたとのこと。

本作では、「ヒップワード」「ベイビイワード」という強力な暗示能力が使われた事件を描く。
(ある空間から脱出できない、時間が早く流れる、といった舞台での殺人である)

よく計算されていると思うが、大部分が聞き込み捜査と推理・考察であり、ハデなストーリー展開がないので、読む進めるのに忍耐力がいる。
また、Amazonのレビューにあるように、ちょっと長すぎる。

幻惑密室―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
幻惑密室―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
おすすめ平均
starsそうなんだけど
stars長編を支える程のアイデアでは...
stars一問の解答・解説としては長すぎませんか?
stars超能力って・・・
starsSFっぽいけど。

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小松左京『エスパイ』 

超能力を操る集団「エスパイ」の、国際的な陰謀(ソ連首相の暗殺を企む組織)との戦いを描いたスパイアクション。
設定は、作品が発表された1964年の10年度である1970年代らしい。ただし、現在も存在しないような乗り物や施設も多数登場している。
ストーリー自体は、まあ面白いんだと思う。ストレートなエンタメ作品として、発表当時は凄く話題になったと思う。
※超能力が出ている時点で十分SFなのだが、ラスボスがモロにSFで……ズコーって感じになった。

というわけだが、私には小松左京作品が合わないことを本作で再確認できた。
これまでにも何冊か読んだが(難しすぎて挫折したものもあり)、ビミョウにわかりづらいというか読みづらいんだよなあ。
小松左京が頭よすぎて、読者がついていけないとでもいおうか。
小松左京は、日本SF小説界の重鎮であり、作家として大家である。
しかし、今ひとつ、作品が読まれてない気がする。これは、SFというジャンルのせいもあるけど、「わかりづらさ、読みづらさ」にもあるんじゃないかなあ。
本作では登場人物が多すぎるのも気になった(小説ではつらい)。
そんなわけで、作品世界にのめりこむことができなかった。

エスパイ (ハルキ文庫)
エスパイ (ハルキ文庫)
おすすめ平均
stars最高級の娯楽SF
starsイエス・キリストを誑かした悪魔も登場する
stars緊迫感の低下を招く要素が二つ

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映画化されていたようだ。こっちのほうが面白そう。

エスパイ [DVD]
エスパイ [DVD] 小川英

おすすめ平均
starsエスパイのパイはパイオツのパイ
stars1974年12月。
stars由美かおるのオッパイ
stars福田純監督作品らしい
stars特撮の不出来が痛い

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麻見和史『ヴェサリウスの柩』 

第16回鮎川哲也賞、受賞作品。

感想としては、巻末にある選評とほぼ同じ。公募作品としては、十分に凄いと思う。
著者は文学部出身だが、大学の解剖学研究室の描写の丁寧さ、リアルさは見事だと思う。
ただ、謎解きの部分が今ひとつかなとは思った。

著者の麻見和史氏は、このあと『真夜中のタランテラ』を発表している。こちらもなかなか良かったので、今後の活躍を一層期待したい。専業作家なのかなあ?

ちなみに、本作で登場する「プール」は強烈だった。アルコール(?)にいろんな生物の死体が溶け込んでいるというやつ。
ファンタジーもので、魔女がトカゲだのカエルだのを目玉だのを煮込んでスープ(薬)を作るシーンがあるが、それよりもキモさは上。

ヴェサリウスの柩
ヴェサリウスの柩
おすすめ平均
stars主役は遺体? マニアックだけど印象に残る1冊。
stars遠大なる復讐の物語

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山口芳宏『豪華客船エリス号の大冒険』

『雲上都市の大冒険』の続編(荒城&真野原シリーズ第2弾)。
まあ、面白い。真相がややビミョウではあるが、楽しく読める。
3作目も、是非読みたいと思った。
それにしても、人死に過ぎ。『雲上都市の大冒険』もそうだったけど、犯人(作者)ひどすぎ。
準ヒロインみたいのが、しょうもない理由で死ぬのはどうかと。

というわけだが、本作もあまり売れないだろうなあ。
装丁デザインもとてもいい感じだけど、2000円+税のハードカバーはつらい。
※著者サイトを見たら、派遣社員をしながら小説執筆とある。夕食300円だって。悲しい。

豪華客船エリス号の大冒険
豪華客船エリス号の大冒険
おすすめ平均
stars次作に期待高まる!

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山口芳宏『雲上都市の大冒険』

第17回鮎川哲也賞、受賞作品。

なかなか面白かった。序盤は、登場人物紹介をかねた、事件捜査が淡々と続くのでちょっと退屈だけど。
冒頭に著者の言葉(受賞の言葉)として、「ヘンな探偵小説」とか「荒唐無稽」とか書いてあるが、私は決して変とは思わなかった。
確かに、本作で描かれる脱出トリックは不可能かも知れない。
だけど、これはこれでいいと思う。
なかなかレベルの高い作品だった。
※(賞の)選者からはいろいろ文句もあるようで。
※一つだけ疑問点→序盤、三河正造がなぜ鉱山に入ったのかが、謎。

ところで東京創元社が、無名の新人の作品をハードカバーで出して売れるもんかねえ。
しかも、2200円+税ですぜ。いくら鮎川哲也賞受賞作品でも。
ミステリフロンティアみたいに、ソフトカバーにしてもう少し定価を押さえればいいのに、と思う。才能が埋もれてしまう。
なかなかいい作品だけに、こういうのは残念だ。

雲上都市の大冒険
雲上都市の大冒険
おすすめ平均
stars古くて新しい探偵小説

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安東能明『15秒』

この人の作品は、前に『漂流トラック』というのを読んだことがある。
その作品でもそうだったが、本作でも執筆にあたり徹底した取材がされているのがわかった。
本作では、JRやケーブルテレビ会社の内情がこと細かく描写されている。
特にJRについては、福知山線の事故で問題となった日勤教育についても触れられており(事故より前に刊行)、同事故があった際は著者が取材を受けたこともあるようだ。

本作は、時間を操るというSF的設定が組み込まれたミステリー小説である。

感想だが、エンタメ小説としては、最低だった。
後半きっと面白くなると期待して頑張って読み進めたのだが、後半になってもつまらなさ炸裂。終盤は適当に読み流した。
何がダメなのか?

●専門用語、業界用語連発。しかも説明なし。
●視点(語り手)が変わりすぎ。
●情景描写がわかりにくい。
●主人公(浅岡)らが事件(謎)に関わっていていく様が不自然。説得力に欠ける。
●JRの内情に代表されるリアリティ描写と、「時間を操作する」というSF設定が、結果的にミスマッチ。
●「時間を操作」の描写が、単に磁気異常などによる計器乱れにしか感じられない。
時間が進んだり、戻ったりという描写が弱すぎる。まあ、ネタ(オチ)的に仕方ないのかも知れないが。

おそらく途中で読むのをやめちゃう人も多いんじゃないかな。
リーダビリティに欠けるというか。

力はある作家だとは思うが、これじゃあ人気はでないと思う。
下手したら万年1刷作家ですぜ。
※2ちゃんにスレすら立ってないわ。

15秒
15秒
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山田悠介『自殺プロデュース』

語り手(地の文)が女性というのは、山田悠介の新境地かもしれない(W

設定は悪くないが、ストーリーがいただけない。プロットがまったく練りこまれて無い。
ラストのオチも、<自殺プロデュース>という本作のメインテーマ(ネタ)と絡んでないので、なんだこれ!となる。
前半部分はそれほど悪くなかっただけに、残念だ。

自殺プロデュース
自殺プロデュース
おすすめ平均
stars今からでも遅くはない
stars竜頭蛇尾
stars怖い。
starsえっ……?
stars大傑作

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×××挫折×××立原伸行『事件記者が死んだ夜』

メフィスト賞に応募された作品。メフィスト賞は受賞しなかったが、講談社から刊行された。

新聞記者(毎日新聞社員)が書いた作品とのことで、新聞社内の内情がかなり細かく書かれている。

だが、小説としては、ひどい出来。
通常のコンクールなら、間違いなく1次審査で落ちるレベル。自費出版でもしてください!というレベル。

小説としての文章がこなれていない。
主人公の造形が有り得ない。キモ過ぎる。
ストーリーも面白くなく、リーダビリティゼロ。
150ページまで読んだけど、これ以上読む進めることの苦痛と時間の無駄を考え、読書継続を断念(150ページ読むのもかなりの時間がかかった。最悪だぁ)。

新聞記者としては相当優秀な人みたいだけど、小説執筆は趣味にとどめておいてください。
※本作を含めすでに3冊発表している。ただし、3冊目は新風舎(自費出版の会社。倒産している)から出している。講談社が見放したか?

事件記者が死んだ夜
事件記者が死んだ夜
おすすめ平均
stars新作を待ち続けています

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香納諒一『ステップ』

香納諒一の作品を読んだのは初めてだった。
※香納諒一はハードボイルド系の作品が中心の作家とのこと。

本作も基本的にハードボイルドなのだが、西澤保彦『七回死んだ男』のように、何度も死んで何度も生き返る(過去に戻る)というSF設定を組み込んでいる。
都合8回(死んで)生き返るわけだが、だんだん戻れる時間間隔が短くなるのが特徴。
1回目は1日近く過去に戻れるのに、次第に数時間になり、数分となる。やりなおした歴史は既成事実として(過去が)確立していくのだ。
そのあたり、なかなか面白い。

ただ、死にすぎというか、8回というのはちょっと多すぎる気がした。
あと、ラストで謎(物語が複雑化した理由)について説明がなされるが、どうも消化不良に感じる。
う~む。いくらなんでも、まどろこし過ぎな気がするが。
※「ネタ考案」→「プロット作成」という感があるのは良い。

ステップ
ステップ
おすすめ平均
stars死ぬたびに再び同じ1日をやり直すストーリーが楽しめた
stars新鮮な趣向で面白い
starsいったい何度死ぬ?
starsこんなストーリーがあっても良い。

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中野順一『セカンド・サイト』

第20回サントリーミステリー大賞、大賞受賞作。

海月ルイ『子盗り』(第19回)や笹本稜平『時の渚』(第18回)に比べると落ちる、という感は否めない。
一人称の「俺」、ありがちな予知能力ネタ、不自然なほど情報通なフリーター、ジッポのライターの使い方(使い古されてる)など、いかにもコンクール応募作という印象があった。
でも、決して悪くはない。テンポよく読めるし。新堂冬樹作品を読んでない人には、キャバクラという舞台設定に新鮮味があってなかなか面白いんじゃないかな。

セカンド・サイト (文春文庫)
セカンド・サイト (文春文庫)
おすすめ平均
starsキャバクラの裏舞台
starsキャバクラに行ってみたくなる
starsテンポがよくすらすら読めた

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なお、同賞は、第20回をもって、終了している。

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笹本稜平『時の渚』

第18回サントリーミステリー大賞、大賞受賞作。

この第18回の最終選考では、本作ほか、五十嵐貴久(『TVJ』)、海月ルイが残っていたという。賞のレベルの高さがよくわかる。
本作では、主人公の私立探偵が、「人探し」と「(数年前の)殺人事件」の2つの捜査を平行して進める。
この2つの捜査をどのように結びついていくかが、著者の力の最大の見せ場である。
これについては、偶然の要素がやや多いけども、なかなか良いと思う。

また、文庫版の解説にあるように捜査途中で出会う人の人情味やハイテク捜査っぷりもなかなか良い(過去の事件の捜査モノとなると、退屈になりがちだが、本作ではそういうのはなかった)。

ただタイトル(書名)がちょっと抽象的過ぎて、伝わりにくい気がする。売り上げとかで損してるんじゃないかなあ。

時の渚 (文春文庫)
時の渚 (文春文庫)
おすすめ平均
starsあまりにも都合の良い設定というか、偶然の要素が多すぎる
stars涙が出たよ
stars面白かった!
stars登場人物の造型がうまい
stars人捜しハードボイルド

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海月ルイ『子盗り』

第19回サントリーミステリー大賞、大賞受賞作。

レベルの高い作品だ。大賞は納得。
前半部分、主人公夫妻が、親戚などからグダグダと文句を言われたり、プレッシャーをかけられるあたりの描写は凄まじい。

ただ、ストーリー的な新鮮味は特になかった。ラストもあっけないし。
とはいえ、十分に読み応えのある作品であることは間違いない。

ところで、本作はサントリーミステリー大賞受賞作ということでドラマ化されている。しかし、映像作品では、本作の魅力(特に前半部分)は十分に伝わるものができなかっただろうと思う。金子成人が脚本を書いたようだが。

子盗り (文春文庫)
子盗り (文春文庫)
おすすめ平均
stars普通の展開で驚きがなかった
stars読後感が・・・

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西村寿行『死神 ザ・デス』

西村寿行作品の中でも、エロ描写の多さは本作が一番ではないだろうか?

監禁、飼育、輪姦、乱交、そして殺し合い。かなり凄まじい内容である。
ほとんど鬼畜ゲーの世界である(プレイしたことはないが、イメージで)。

ところで、昔の小説では独特の挿絵が使われている(今でも、文芸書なんかでは、使われてるけど)。本書(カッパ・ノベルス)では、金森達氏のイラストが使用されている。西村寿行作品などでは、いい味出しているね。
Thedeath
※カッパ・ノベルス(本文P164-165)を撮影のうえ、引用掲載。一番エロいもの。

死神(ザ・デス) (カッパ・ノベルス) 死神(ザ・デス) (カッパ・ノベルス)
西村 寿行

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雫井脩介『犯罪小説家』

派手にストーリーが動くタイプの作品じゃないけど、悪くない。
ただ、真相が今ひとつかな。
「ふんんんっ」はなかった(近いものはあるが)。

ところで、「落花思想」の考え方は、アリな気がする。
法で「自殺幇助罪」が定められているから真似はできないが、蓮美に共鳴する人もいると思う。

犯罪小説家
犯罪小説家 雫井 脩介

おすすめ平均
stars読者がだまされる、そこが面白さだ
stars少なめのサスペンスですが
starsおもしろい
stars確かに強引なところもありますが、
starsおもしろいじゃん

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道尾秀介『鬼の跫音』

小説誌『野生時代』掲載の短編6編を収録。
どれもある程度の水準に達している。
連作というわけではないが、「S」という人物と「鴉」に共通点がある。

鬼の跫音
鬼の跫音 道尾 秀介

おすすめ平均
stars満点の…!!
stars帯が・・・
stars待ってました!
starsただのホラーというわけではなく短編ごとに何かしらミステリのトリックが仕掛けられていた
starsホラーだが、ミステリーの要素強し。

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霧舎巧『十月は二人三脚の消去法推理』

私立霧舎学園ミステリ白書シリーズの第7作。

私がバカなのか、さっぱり内容が理解できなかった。

・メールの謎(誰が誰に送ったのか?何故、保はメールに気づいたのか?など)
・ライオンの着ぐるみのトリックすべて
・放火トリック(綱引きのロープと整列用のロープでは太さが違うだろ)
・何故琴葉を指定して拉致したのか?
・何故ユニコ先生を拉致したのか(しかも一人だけ別の場所)
・何故犯人は、このような手のこんだ犯罪をしたのか?(これを言ったらおしまいか)

他にも謎が謎のままで終わったものも多い。消去法で考えていくあたりはいいんだけど。
前作で曖昧だった『私立霧舎学園ミステリ白書』の執筆者の正体について、継続して調査が行われている点は評価できる。

本シリーズで、現状で刊行されているものはここまで。
とりあえず読むと決めたので、7作とも読み終えたが、どれもビミョウだった。
アイデアとか、本自体の仕掛けはどれもいいんだけどね。
ネタの詰め込み過ぎ。読者に伝わりにくいんだよなあ、いろいろと。
ライト層がターゲットなら、もっと丁寧に説明すべき箇所があると思う。
内容的に本格寄り過ぎる気がする。

また、ライトな雰囲気の割りに殺人の動機とか凶行っぷりが強烈。これは、「コナン」的なものとして目をつぶることもできるが。それに、それほどそのあたりの描写にページを裂いているわけではないしね(動機とかはどうでもいい的)。

うまく表現できないが、全体がアンバランスな感じがする。
ある意味反面教師だな、これは。「ラノベ+本格ミステリ」の失敗例というか。

十月は二人三脚の消去法推理 私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス)
十月は二人三脚の消去法推理 私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス) 霧舎 巧

おすすめ平均
stars犯人の心理や視点が分かりづらい
stars運動会
stars刊行ペースがあがれば……
stars薄いのに詰め込みすぎ
stars今回のテーマは"消去法"

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霧舎巧『九月は謎×謎修学旅行で暗号解読』

い私立霧舎学園ミステリ白書シリーズの第6作。

本作も、巻頭にプリクラのシールを付けるといった凝った造り。なかなか面白い。
※といっても、私は実物を見ていない。図書館本を読んだわけだが、シールの部分が切り取られていた。これは図書館が敢えて切りとったのか、どこかのバカによる犯行なのかは不明。

このシリーズの感想は、不満ばかり書いているが、本作も同じ。
シリーズ最長の300ページ超えなのだが、それは京都をめぐるオリエンテーションツアーのような描写でページが増えているだけだ。このプリクラシール探しの場面は、よく考えられたパズルだと思う。作成は大変だっただろう。
だけど、ストーリー的にあまり意味がない。
(ネタバレだが)あのシーンの目的は、単にアリバイ作成のためという理由だ。
なんだ、それ!という感じ。また、平行して進められる霧舎学園内でのプリクラシール探しの理由もなんだかなあ~という感じ。
わざわざ、そこまでするか?と思わざるをえない。

ラストのプリクラの指紋の提示、宝探しの謎解きもたいして面白くない。

いずれ明らかになるだろうが、劇中の「私立霧舎学園ミステリ白書」の執筆者の正体がはっきりしないと、どうにも読後感が悪くなる。
※本作については『倉崎財閥の秘宝』に、事実と異なる記述があるのが謎。これは、犯人によるミスリードと解釈すればよいか?

設定などを面白くするのはいいが、その理由付けが弱すぎ。いろんなサービス満点なのはいいんだけどねえ。厳しいなあ。

九月は謎×謎修学旅行で暗号解読 (講談社ノベルス)
九月は謎×謎修学旅行で暗号解読 (講談社ノベルス) 霧舎 巧

おすすめ平均
starsマニア垂涎のミステリ
stars京都観光
stars謎解きオリエンテーリング
stars凝った将棋の暗号に好印象
starsどうかなぁ・・・

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霧舎巧『八月は一夜限りの心霊探偵』

私立霧舎学園ミステリ白書シリーズの第5作。

巻頭に、コミック雑誌のグラビアを模したカラーページを入れるなど、なかなか凝っている。
空間的な誤認(叙述トリック)はなかなか面白いと思う。
だけど、事件の状況(設定)を複雑化させたある人物の行動(駆け落ちに関する下り)はかなり無理がある。説得力に欠ける。
あと、犯人のアリバイ工作も、なんだかぼやけている。

短い小説だが、いろんなアイデアが入っている。そのアイデアが、作品の中でいまいち活きていないように感じた。もったいない。

八月は一夜限りの心霊探偵―私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス)
八月は一夜限りの心霊探偵―私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス) 霧舎 巧

おすすめ平均
stars巻頭イラストまで利用するのはすごいと思うが……
starsきもだめし
stars楽しめる小説

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椙本孝思『天空高事件 放課後探偵とサツジン連鎖』

『魔神館事件 夏と少女とサツリク風景』 の続編。

今回は館モノというより、学園ミステリー風の読み物となっている。
「探偵部」なんてのが出てくるしね。ただ、この探偵部、モロ「SOS団」なんだよなあ~。
まあ、よくあるキャラ設定、キャラ配置といえるのだけど。『ハルヒ』が目立つ作品だけにどうしてもSOS団のように感じてしまう。

ミステリーの出来としては、普通よりやや下かな。
今ひとつ、いや、今ふたつ、といった感じ。
事件自体あまり面白くは無い。アリバイとか密室といった要素がないので、殺人→捜査が繰り返されているだけという印象がある。
「館モノ」としても中途半端だし(建物の秘密が明らかになっても、だから何?という感じ)。
また、終盤のダミーの真相があまりにもつまらない(何度も主人公の考えとして、本文で述べられていること、そのまんま)。最後に明かされる真相は、エゲツなさすぎるし。

とはいっても、それなりに楽しんで読むことはできる。
次作にも期待したい。

あ、ところで、どうして装丁画を変えてしまったんだろう。『魔神館事件 夏と少女とサツリク風景』 のイラストは、私は結構好きだった。
本書の装丁画は、決して悪くはないんだけど、『魔神館事件 夏と少女とサツリク風景』 を知っているせいか、作品のイメージとかけ離れている気がする。
もしかしたら、『魔神館事件 夏と少女とサツリク風景』 の装丁が不評で変更したのかも知れない。が、これじゃあ、さらにマイナスでは?迷走してますな。

天空高事件 放課後探偵とサツジン連鎖
天空高事件  放課後探偵とサツジン連鎖 椙本 孝思

おすすめ平均
starsティーン向けミステリー
starsうーん・・・

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霧舎巧『七月は織姫と彦星の交換殺人』

私立霧舎学園ミステリ白書シリーズの第4作。

このシリーズ、謎がすべて解けても、釈然としないものが残るなあ。

(ネタバレあり)
「短冊」のトリックというかネタは、あまり面白くなかった。
そこから導き出される結論をひっくり返すのは見事というかなんというか。
犯人が大掛かりなことをした理由として、「琴葉らを探偵役にし偽りの真相にいたらせるため」みたいな説明があるけど……。犯人、琴葉らを評価しすぎだろ。そこまで、裏の裏なんて読めませんよ

七月は織姫と彦星の交換殺人―私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス)
七月は織姫と彦星の交換殺人―私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス) 霧舎 巧

おすすめ平均
starsラブコメミステリという路線はどこへ?
stars丁寧な処理
stars季節はずれの夏がくる。

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霧舎巧『六月はイニシャルトークDE連続誘拐』

私立霧舎学園ミステリ白書シリーズの第3作。

『カレイドスコープ島 《あかずの扉》研究会竹取島へ』 の人物、舞台が登場する。


(ネタバレあり)
瑣末なことかも知れないけど、
・(犯人が)製本までして本を用意した点。
・準強制わいせつの手口が幻斎そのものである点。
が気になった。

特に後者。『カレイドスコープ島 《あかずの扉》研究会竹取島へ』 の細かい部分は記憶にないが、本作と同様の人物入れ替わりがあったということか?そんなことないよね?
いくらコルセットをつけて演技をしていたといっても、『カレイドスコープ島 《あかずの扉》研究会竹取島へ』 を読んだ人なら、あの老人は幻斎そのものと思ってしまうわけだが。

あと、犯人の動機(目的)にたいして、どうしてここまでするの?的な感もある。
まあ、ミステリーとして、十分に楽しめるけどね。

六月はイニシャルトークDE連続誘拐―私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス)
六月はイニシャルトークDE連続誘拐―私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス) 霧舎 巧

おすすめ平均
stars推理ものとしてはよいと思うのだが……
stars誘拐もの
stars遊びの詰まった本・・・

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霧舎巧『五月はピンクと水色の恋のアリバイ崩し』

私立霧舎学園ミステリ白書シリーズの第2作。

最後にひっくり返すあたりはよい。
ただ、本作のタイトルには「アリバイ崩し」という言葉が入っている。
しかし、真犯人の行動が曖昧な状態で、真犯人の指摘が行われる。
これで、本作のテーマ(書名)が、アリバイ崩しなんていえるのだろうか?
あとがきで、このあたりの言い訳めいたことが書いてあるが、真犯人の行動の描写にもフォーカスを置いてほしかった。
どうも、後味が悪い。

琴葉のメールを、棚彦がウイルスメールと間違えるシーンは面白かった。
ところで、八重ちゃんって、なんでイギリスに留学してるの?

五月はピンクと水色の恋のアリバイ崩し―私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス)
五月はピンクと水色の恋のアリバイ崩し―私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス) 霧舎 巧

おすすめ平均
starsラブコメ小説としては成長している。まだまだだが。
starsアリバイって
stars四月→五月

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篠田真由美『未明の家―建築探偵桜井京介の事件簿』

「建築探偵桜井京介シリーズ」の第1作。
推理小説として必要にして十分なクオリティに達した作品だと思う。
ただし、本作は過去の事件の調査と考察が中心のせいか、全体的にやや退屈だった。

ところで、篠田真由美は早稲田の二文出身。
本作では、舞台として「W大」というのが出てくる(主人公の勤務先)。
こういうのを読むと、早稲田出身の人というのは、本当に愛校心があるんだなあ、と思う。

未明の家 (講談社文庫―建築探偵桜井京介の事件簿)
未明の家 (講談社文庫―建築探偵桜井京介の事件簿) 篠田 真由美

おすすめ平均
stars期待します
starsまだまだ始まり・・・
stars建築探偵?

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イーデン・フィルポッツ『赤毛のレドメイン家』

1922年に発表されたミステリー。

間違いなく名作。ミステリーを読みなれた人なら、本作のトリックは相当早い段階で看破できるはずだ。
それでも、最後まで読ませるだけの魅力がある。
イギリスとイタリアの旅情豊かな描写、主人公のヒロインへの恋模様、そして乱歩が言うところの「万華鏡が回転し、絢爛たる色彩」を描くプロットなど。
また、翻訳文も読みやすいのもマル。私は、創元文庫版(宇野利秦)で読んだが、いい意味でストレートで、わかりやすい訳だった。

ただ、この創元文庫の表紙の内容紹介の文章は、思いっきりネタを割っている。古典なら、こういうのは許されるということ?

赤毛のレドメイン家 (創元推理文庫 111-1)
赤毛のレドメイン家 (創元推理文庫 111-1) 宇野 利泰

おすすめ平均
stars文学的格調の高さが評価の所以か?
stars確かに面白い
stars「赤毛のレドメイン家」の評価は“古典的”であるべき
stars純文学コンプレックス?
stars乱歩の激賞の割には

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雫井脩介『白銀を踏み荒らせ』

『栄光一途』の続編にあたる。『栄光一途』では柔道だったが、今度はスキーをモチーフにしている。

大変な力作だと思う。元々スキー、スポーツ全般に詳しいのか、そうでないなら相当な資料を読み込んで執筆したのだろう。
スキー(ダウンヒル)の描写はなかなか凄いと思ったが、スキーを知らない人には辛いかもしれない。正直、私にはピンと来なかった。
『栄光一途』の感想とまったく同じことを書いてます)

とにかく、スキーやスキー場の描写がダルいダルい。登場人物も多くて混乱するし、ストーリーもあまり面白くない。
世界の政治、経済を動かしている謎の組織「パル」や、その殺し屋なんてのも出てくるわで、リアルさはない。
方向性というか、作者が何をやりたいのかが掴みづらい作品だった。
殺し屋と戦う、深紅姉さんの「ちぇすとぉおおお!」が強すぎるしね(殺し屋弱すぎ)。

元々、スポーツものは肌に合わないというのもあるが、私的に本作はハズレだった。
ちなみに、本作では、「ふんっ」というのがかなり使われていた。

白銀を踏み荒らせ (幻冬舎文庫)
白銀を踏み荒らせ (幻冬舎文庫) 雫井 脩介

おすすめ平均
starsいまひとつ
starsジャンプアップ前のしゃがんでいる状態
stars化ける前
stars五輪は終わったけど
stars驚くほど退屈

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スキー(ジャンプ)をテーマとしたミステリーなら、東野圭吾の『鳥人計画』が秀作だと思う。

鳥人計画 (角川文庫)
鳥人計画 (角川文庫) 東野 圭吾

おすすめ平均
stars恐るべき計画と人間の弱さ
stars被害者が不憫…。
stars一風変わったミステリー
stars凡作
starsミステリーとしてはそこそこ楽しめる

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雫井脩介『栄光一途』

雫井脩介のデビュー作。第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作である。

大変な力作だと思う。元々柔道、スポーツ全般に詳しいのか、そうでないなら相当な資料を読み込んで執筆したのだろう。
柔道の試合の描写はなかなか凄いと思ったが、柔道を知らない人には辛いかもしれない。正直、私にはピンと来なかった。

ストーリー自体は、それほど面白くはなかった。
柔道界を舞台にしたドーピング疑惑のプロットと殺人者のプロットを錯綜させ、読者の興味をひこうとしているのだがどうもいま一つ。
前者のプロットは、キャラが多すぎて、読んでいて頭の整理がつかなかった。
後者のプロットについては、冒頭の「シンジという男」という記述、そして「信司」「新二」という二人の同名の人物から、ネタを読めてしまった。
そんなとこかな。

ちなみに、本作でも、犯人による「ふんうあああっ!」というのがあった。
(そのシーンの深紅姉さんカッコいいね)

栄光一途 (幻冬舎文庫)
栄光一途 (幻冬舎文庫) 雫井 脩介

おすすめ平均
starsドーピングは悪か
stars頑張るヒロイン
stars筋、キャラクター、柔道シーン。かなりの筆力で読ませます。
stars剛よくミステリーをやや制す
starsいい作家がでてきたね!!

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深町秋生『東京デッドクルージング』

少し未来の東京を舞台に、日本人組織(民兵)、中国人組織、朝鮮人特殊工作員らによる、殺し合いを描いたもの。

本作では、パートにより視点(語り手人称)を変えている。
中には、単なる脇役視点のパートもある。
これを、物語の別の局面や過去を垣間見ることができ物語に深みが生まれている、と好意的に受け取るか。
あるいは、意味のないパートがある、と否定的に捉えるかは、読者によって異なるだろう。

この手の作品が好きな人には高く評価されそうだ。
が、私には、殺し合いだけを見せつけられ、何も残らないといった印象。それが本作の狙いなのかも知れないが。

東京デッドクルージング このミス大賞シリーズ
東京デッドクルージング このミス大賞シリーズ 深町秋生

おすすめ平均
stars近未来日本のシミュレーション
stars四つ巴の殺戮サバイバル

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山田悠介『ニホンブンレツ』

本作は、日本が東と西に分断され、トンデモな事態になった未来世界を舞台としている。
設定は面白いと思う。階級制度を導入し、四国を奴隷エリアにした、なんてあたりは良い。
四国の人には申し訳ないが、私もかつてそんな妄想をしたことがある(W
※ツッコミところはいろいろあるけど、この作品はこういうものだと目をつぶろうよ、みなさん!

ストーリーも前半部分はよいと思う(西に潜りこむあたりまで)。
ただそれ以降は、いつもの山田作品の型通りで……。
という感じ。つまらんことはないが、まああまり褒める人はいないだろうね。
やたらと展開が早いのも気になった。

にしても、山田先生は、もう文芸社から本を出すのはやめたほうがいいかも知れない。
山田作品には、誤植や誤用などが多いことは有名な話だが、それは文芸社がまともに校正をしていないせいではないか?
本作では、以下3箇所が気になった。

●P287 8行目
『……その先の合流地点から二台のパトカーが現れ、博文は一気に抜き去った。現在四台のパトカーに追われているが、その直後前方に赤いパトランプが見えた。』
→さっぱりわかりません(W

●P306 6行目
『……全長五メートルほどの高さの……』
→高さを表現するときでも、「全長」でOK?

●P321 9行目
『……生まれてきたときからどちらかといえば博文似だったが、どんどん博文の顔に近づいている……』
→なんか違和感ある。

ニホンブンレツ
ニホンブンレツ 山田 悠介

おすすめ平均
stars暇つぶしの娯楽作品として
starsん?
stars今がその時。
stars行き当たりばったりに書いたのかな
stars一生成長できないと思う

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関東と関西の戦争を描いた作品といえば、筒井康隆の『東海道戦争』が有名である。

東海道戦争 (中公文庫)
4122022061 筒井 康隆

中央公論社 1994-12
売り上げランキング : 229630

おすすめ平均star
star筒井作品の短編集ベスト5に入る。
star筒井は世界一のかさぶた擦り

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霧舎巧『四月は霧の00(ラブラブ)密室』

私立霧舎学園ミステリ白書シリーズの第1作。
ラノベテイストだが、しっかり本格している。
とはいえ、本作はいまひとつだなあ。
図面(地図)とかついているけど、体育館まわりの位置関係がわかりづらい。

「正しいメロンパンの食べ方」の話は、ちょっといいね。

四月は霧の00(ラブラブ)密室―私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス)
四月は霧の00(ラブラブ)密室―私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス) 霧舎 巧

おすすめ平均
stars霧舎が新しいジャンルに挑む?
starsトリックはおもしろいよ
stars馬鹿と真面目
stars期待はずれ
starsなかなか

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望月守宮 『無貌伝~双児の子ら~』

第40回メフィスト賞受賞作。

なかなか面白かった。世界観もいい。
ミステリーの格となる部分は普通というかあまりにも無難にまとまりすぎているため、パンチには欠ける。だけど、メフィスト賞作品として十分納得の出来。
化け物(ヒトデナシ)などが出てくるSF要素はあるが、謎解きのあり方は本格そのもの。
犯人の行動の不可解な部分も、うまく説明されていた。
(無貌は美しいものをコレクションするとのことだが、なぜ「舌」に眼をつけたのかがよくわからない。●●が宿っていたのは偶然?)

なお、2009年秋に 『無貌伝~夢境ホテルの午睡~』が刊行されるとのこと。
ミステリーでなくてもいいので、クライマックスにはヒトデナシがバンバン出てくるようなのも読みたいね!

無貌伝 ~双児の子ら~ (講談社ノベルス)
無貌伝 ~双児の子ら~ (講談社ノベルス) 望月 守宮

おすすめ平均
stars今後の展開に期待
stars懐かしい感じがする探偵小説
stars正統派
stars奥深い世界観

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「伝奇もの」っぽいタイトルが、損してない?

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辻村深月『太陽の坐る場所』

25歳にもなると、
「いい会社に入り、満足のいく仕事をしている者」
「人はいい会社というけれど、本人はストレスだらけ」
「就職に失敗し、貧乏くらし」
「夢を捨てきれない者」
「結婚する者」
「都落ちするもの」
「海外に逃げる者」

など、同じ大学出身者であっても、かなり差が出る。

本作は、同じ高校出身者たち数名の、生き様を、内面にスポットを当てて描いた連作集。
いくら「友達」だと思っていても、お互い「あいつには負けなくない」と思っているもの。
そこらへんの心情を、過去のちょっとした事件(の記憶)を織り交ぜて、描いている。

*****

大きな謎といったものもなく、ストーリー的な面白みもないため、かなり退屈。
読み進めるモチベーションが維持できず、読了までかなりの時間を要した。
苦痛すら感じた。

ちなみに、ミステリー的な仕掛けもある。
が、いかにも辻村流。
あまり効果的でないし、必要性も感じなかった。

******

辻村作品は、どれも内面描写は凄いし筆致も綺麗だと思う。
が、あまりにも掘り下げすぎ&まわりくどくて、いわゆる厨二病的な匂いすらする。
辻村深月は、これで卒業にする。
もう、いいわ。私には合わない。
トリックも、描かれる内容も飽きた。

辻村深月作品は、ネットの書評などでは無条件にマンセーされている。

今後の活躍が期待される作家だが、とにかく本作は万人にはオススメできない。読み手を選ぶ。下手をすると本嫌いになってしまう。文学好きにはそれなりに評価されそうだが、エンタメ好きには辛い作品。

太陽の坐る場所
太陽の坐る場所 辻村 深月

おすすめ平均
stars和解を描いていると思いました。
stars怖い!すごい迫力でした。
stars一人でやってろ
stars本当に囚われているのは……
starsミステリー……なのかな?

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どうでもいいが、やはりこういう小説を読むと、
都内、あるいはその近郊の県で育ち、東京のそれなりの大学に進学するというのが、正しい気がする。

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雫井脩介『虚貌』

これは売れる作品だ(実際売れた)。
雫井さんのこの手の作品はいい。
なかなか面白かった。
幅広くオススメできるエンタメ作品といえる。
本作でも終盤に、犯人による「ふんんんっ!」が登場。
これはお決まりのようですね。

本作の最大のネタというかトリックについては、賛否両論あるかと思う。
下手をするとキワモノというかトンデモミステリーになりそうであるが、本作はこれでよいと思う。
作品自体が醸し出す雰囲気、描かれているドラマ性の高さなどで満足感をえられるため、ネタにいくら無理があろうとそれほど気にはならなかった(序盤、犯人たちが岐阜弁?で犯行計画を話しているあたりから、グッと来るものがあった)。
文庫版の解説ではこの点について、福井晴敏が「『現実』に逆襲するファンタジー、作劇における著者流のバランス感覚だろう」といっている。同感である。
※あのネタを全否定する立場の方は、私とミステリーに対する趣味・趣向が異なると思われる。このブログの情報はまったく役に立たないので、他のサイトを訪問されるのがよろしいかと。

ちなみに、同解説において、惨劇の直前シーンでのある伏線について紹介されている。まさか、あの●●●に伏線があろうとは思いもしなかった。単に時代設定を明確にするものと思っていた。

虚貌〈上〉 (幻冬舎文庫)
虚貌〈上〉 (幻冬舎文庫) 雫井 脩介

おすすめ平均
starsミステリーの枠を飛び出したエンターテイメント
starsうーん?失敗!
stars読み応えバッチリ!
stars運命とは流されていくもの。
stars悪くはない。でも何か決定的なものが足りない

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虚貌〈下〉 (幻冬舎文庫)
虚貌〈下〉 (幻冬舎文庫) 雫井 脩介

おすすめ平均
starsとにかく面白いものが読みたいときに
starsおもしろかったけど…
starsだまされた感…。
starsどの作品も出足と結末の評価が違う。
stars

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あの人物が死んじゃったのは残念だなあ。

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阿刀田高『霧のレクイエム』

交換殺人もの。ロマンテックな雰囲気と旅情が豊か。なかなか良かった。

たとえば、
『……好きな人を待つ心理にはいつもこんな作用があるものだ。たとえば渋谷のハチ公前の待ち合せ。約束の時間を六、七分すぎるころまでは、なんともない。むしろ胸を弾ませて待っている。十五分をすぎるころから、だんだん不愉快になる。苛立ち始める。三十分も待つと、もう本当に怒りたくなる。だが、そこを過ぎると、
ーーとにかく早く来てーー
哀願するような気持ちが生まれる。そんなときに、ちょうど相手が小走りにやってきたりして……。怒るのを忘れて胸を撫でおろしてしまう。
』(文庫版P180より)
なんて箇所は良かった。ちょっとした心理描写だけど。

難をいうなら、交換殺人の協力者が殺人を犯し「次はお前の番だよ」と言い迫ってきた場面、主人公が殺人を決意するにはもっと葛藤とかいろいろあると思うだが、そのあたりの描写がやや弱く感じた点かな。まあ、こういうのは難しいんだけどね。葛藤長くてなかなか殺人を犯さないと、読者はイライラするからなあ。

霧のレクイエム (講談社文庫)
霧のレクイエム (講談社文庫) 阿刀田 高

講談社 1991-10
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笹沢左保『死の追走―次は誰か』

いろんな人生、いろんな死にざまを扱った短編連作集。
まあ、普通の出来。

死の追走―次は誰か (講談社文庫)
死の追走―次は誰か (講談社文庫) 笹沢 左保

講談社 1999-10
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椙本孝思『明日、キャロラインカフェで』

商品の売り文句として「奇妙でせつない青春恋愛ミステリー」とあります。
まあ、その通りです。
ただ、ありがちといったら、ありがちな内容かな。
ストーリーの完成度は低い。
誤字脱字が何箇所かありました。

明日、キャロラインカフェで
明日、キャロラインカフェで 椙本 孝思

アルファポリス 2006-11
売り上げランキング : 476285

おすすめ平均 star
star切ない青春
starすれ違ったままの恋愛の結末が・・・。

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新堂冬樹『女王蘭』

本作は、ドラマ化もされた『黒い太陽』の続編という位置づけ。
※ちなみに『溝鼠』の鷹場が、まさかのちょい役として登場する。

あまり出来のいい作品とはいえなかった。内容的な荒っぽさも目立つ。
原稿として完成されていないというか、ラフを読んでいるような印象を受けた。
ラストもよくわからないし。

ブラックモノの新堂作品を読むのは、1年半ぶりだった。
代わり映えの無い内容に飽き飽きしていたため、間を空けたのだ。
だけど、ダメだった。面白いとは感じられなかった。卒業だな。

女王蘭
女王蘭 新堂冬樹

おすすめ平均
stars前作の方が・・・
stars野心家の主人公に共感した
stars“あの男”に失望
stars完全なる失敗作
stars「黒い太陽」の続編

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北山猛邦『踊るジョーカー―名探偵 音野順の事件簿』

表題作を含む短編5編を収録。
推理小説家と引きこもり(名探偵)の活躍を描いている。
ま、いかにも雑誌連載の短編という感じ。

ところで、本作はカバーなどに片山若子というイラストレーターのイラストを使用している。
キャラのタッチが個性的で、なかなか素敵なイラストだと思う。
ただ、この人の書く人物画はどれも似ている。それ故、同じ北山作品の『少年検閲官』と同シリーズなのでは?という誤解を招く。
このあたり、いかがなものだろうか?

ちなみに、片山さんのイラストは、星新一作品の角川文庫の装丁などにも使われてる。http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA?%B3%BC%E3%BB%D2

■片山さんのサイト→http://www.sibukawakuri.com/

踊るジョーカー―名探偵 音野順の事件簿
踊るジョーカー―名探偵 音野順の事件簿 北山 猛邦

おすすめ平均
stars素敵。
stars引きこもり名探偵&世話焼きワトソン

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東川篤哉『もう誘拐なんてしない』

単なるドタバタ狂言誘拐モノかと思いきや、途中で意外な展開を見せる。
このあたり、さすが東川篤哉である。

ただ、狂言誘拐の告白シーンが妙にアッサリだったのと、(偽金絡みの)印刷所社長殺人事件が放置されたのが残念。

あと、この作品もタイトルがいまいちよくないねえ。本書は装丁のイラストもどうかと。これじゃあ、売れないよ。単なるB級、C級作品にしか見えない。
なかなか楽しめる作品だけに、こういうのは本当にもったいないなあ。

もう誘拐なんてしない
もう誘拐なんてしない 東川 篤哉

おすすめ平均
starsとにかく
stars快調なロマンティック(?)ミステリ
stars肩の凝らない良質のエンタメ作品
stars『その後』も読みたかった

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霧舎巧『マリオネット園 《あかずの扉》研究会首吊塔へ』

《あかずの扉》研究会シリーズ第4作。

アイデアはいっぱい詰まっている。
だけど、なんだかなあ~と。
ストーリーが面白くないのかなあ? 
2重3重の謎解きアイデアが先にあり、それに無理やりストーリーをつけた。
しかし、そのストーリーがうまく機能しなかったという感じかな。
いろいろ不自然すぎだわ。疑問も残るし。

このシリーズ、どこかの書評に新しい作品ほどつまらなくなっていると書いてあったけど、本当にそう。

キャラに魅力がないとまでは思わないけど、本作のユイ(ヒロイン)はうざかったね。

続編の予定はあるようだが、2001年に本作が刊行されて以来いまだ5作目刊行されていない。
別シリーズに専念というのもあるのだろうが、おそらく4作目で打ち止めということだろう。

マリオネット園(ランド)―“あかずの扉”研究会首吊塔へ (講談社文庫)
マリオネット園(ランド)―“あかずの扉”研究会首吊塔へ (講談社文庫) 霧舎 巧

おすすめ平均
stars読んで時間が経つと
stars題材はいいけど何か物足りないです
starsマリオネットだけに
starsこの本から読み始めた場合はどうすればいいのか…

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※本作ノベルズ版によると、サブリミナル効果の実験の話(映画のフィルムに「コーラ」「ポップコーン」の映像をはさんだやつ)は嘘らしい。

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霧舎巧『ラグナロク洞 《あかずの扉》研究会影郎沼へ』

《あかずの扉》研究会シリーズ第3作。

非常に計算して作られた作品だと思う。
推理を構築させてもそれをあえて破壊させる。
真相に向けての推理が二転三転するあたりは、見事なお手並みといえよう。
また鳴海によるダイイングメッセージの講義も面白い。

(以下、ネタバレあり)
ただ、大量に人が死ぬわりに、全体として地味というか、今ひとつな印象がある。
キャラがつまらないというのもあるが、なにより真犯人の意図が見えてこないからだ。
鳴海やカケルが偶然洞窟に入ってしまったということになっているが、もしそうでなかったらどうするつもりだったのか?
同じように殺人を実行していたのか?誰のために、あのような工作をする必要があるのか?観客不在なのに(つぐみはいるけど)。
カウントダウン殺人というのも意味不明。大量殺人のフェイクか? しかし、あの人物の遺書は警察に渡っているし。
大掛かりな仕掛けが、意味をなしていない。仕掛けそのものも、「秘密の抜け道」というものだし。

全体的にちぐはぐ。消化不良になった。
よく考えて作られた作品だとは思うけど、推理小説としての完成度はあまり高くないと思う。
著者のやる気は十分に感じられるが、それが空回りしている。世間的にあまりいい評価は得られない作品だろう。

ラグナロク洞―“あかずの扉”研究会影郎沼へ (講談社文庫)
ラグナロク洞―“あかずの扉”研究会影郎沼へ (講談社文庫) 霧舎 巧

おすすめ平均
stars閉じ込められる
starsダイイングメッセージに一種のこだわりを感じます
stars連続殺人新機軸

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※参考
フェル博士←ジョン・ディクスン・カー
二階堂蘭子←二階堂黎人
空知雅也←有栖川有栖
メルカトル鮎←麻耶雄嵩

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雫井脩介『ビター・ブラッド』

「ビター・ブラッド」というカタカナタイトルだけでは、どういう作品かイメージしづらい。
人によっては、言葉の響きから爽やかな青春ものと思う人もいるかも知れない。

が、「ビター・ブラッド(Bitter Blood)」は、直訳すると「苦い血」。
実はある親子を描いた作品だ。
その親子は、二人とも刑事。
ということで、実は警察(犯罪)小説なのだ。

力作だとは思う。しかし、あまり商業的には成功しないタイプの作品だ。

ヤクザ、情報屋など裏系の多数の人物が登場する上、それらが警察官も交えてかなり複雑な人間関係を作っており、なかなか理解しづらい。
また事件自体がそれほど面白くない。展開もかなり地味。
主人公(読者)が知らない情報を、周囲の警察関係者は知っているというシチュエーションに、もどかしくなる。

そういったこともあり、あまり高く評価されない作品に感じる。

ビター・ブラッド
ビター・ブラッド 雫井 脩介

おすすめ平均
stars新作で楽しみにしていたのだが…
stars軽く読める本
stars笑えます
stars年下の作家
starsアイディアが消化不足

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「ジェントル」のジャケットプレイは好きだけどね。

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蘇部健一『六枚のとんかつ』

第3回メフィスト賞受賞作。「6とん」の略称で知られる有名作品。
ノベルスが発売したときに買って読んだ気もするのだが、内容を覚えていないので読んでみた。
推理小説というより、推理クイズ集のようなものとして読むといいかも知れない。

ところで解説によると、笠井潔は本作をゴミと言ったらしい。
プロの作家が、公募で選ばれた新人のデビュー作にたいして、そういう言い方はすべきでないと思う。
読者がプロの作品に文句をつけるのとはわけが違う。ちなみに私は、「バカだ、ゴミだ」とは思わなかった。
※文庫版あとがきで、作者に少し好感が持てた。

六枚のとんかつ (講談社文庫)
六枚のとんかつ (講談社文庫) 蘇部 健一

おすすめ平均
starsアホバカだけど結構深い
starsこれがメフィストなんだよっ
stars支持します
stars下らない世界
stars真面目に読むと後悔確実

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作者注として、島荘うんたら書いてあった(W

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東川篤哉『館島』

東京創元社の「ミステリフロンティア」で刊行された作品。

孤島の館もの。

勝気で高飛車な女探偵、大掛かりな物理トリック、ユーモアあふれる筆致と、読んでいて楽しい要素ばかりだ。

ただ、タイトルがちょっと気になる。
このタイトルだと島レベルのものすごい大きな仕掛けがあるのかと思う。
東川作品は、もう少しタイトルの付け方を頑張ってほしいなあ。

館島 (創元推理文庫)
館島 (創元推理文庫) 東川 篤哉

おすすめ平均
stars楽しい「孤島の館」もの
stars「螺旋階段」と「80年代」と「岡山」
starsおみごとな伏線回収

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東川篤哉『殺意は必ず三度ある』

鯉ヶ窪学園探偵部、三馬鹿(トリオ)シリーズ第2弾。

タイトルがいまいち&アリバイ工作にそこまでするか!とは思うが、普通に楽しめる。
(すぐに読了できます)

殺意は必ず三度ある (ジョイ・ノベルス)
殺意は必ず三度ある (ジョイ・ノベルス) 東川 篤哉

おすすめ平均
starsぜんぜん・・・・面白くない・・・・(;'Д`)ハアハア
starsユーモアもミステリもしっかり

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東川篤哉『学ばない探偵たちの学園』

鯉ヶ窪学園探偵部、三馬鹿(トリオ)シリーズ第1弾。
読みやすいのですぐ読了できる。

ノベルスの初版に面白いミスがあった。
P73~P91は第二章にあたる部分なのだが、柱(ヘッダみたいなとこ)が第一章になってる。
編集のポカだろう。この手の書籍でも、こんなトンデモミスがあるのね。
一瞬、作品の(構成上の)仕掛けかと思ったよ。

学ばない探偵たちの学園 (ジョイ・ノベルス)
学ばない探偵たちの学園 (ジョイ・ノベルス) 東川 篤哉

おすすめ平均
starsミステリのセンスが光る逸品
starsお笑い成分アップ!
starsミステリ、お笑い系?

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学ばない探偵たちの学園
学ばない探偵たちの学園 東川 篤哉

光文社 2009-05-12
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そういや、編集のポカといえば、角川の『スニーカー』編集部がやらかした件がニュースになってましたね。作家が編集者を信用できなくなったらおわりですね。
にしても、ラノベブームの牽引役ともいえた『スニーカー』がこういうことをやったのは残念ですね。読者の信用もなくなるわ。一社員がDQNだったわけだが。

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西村寿行『人類法廷』

「酒に酔った状態で大量殺人→刑法39条により無罪」

これに納得がいかない被害者、遺族たち。
彼らは、国ではなく、自分たちで犯人を裁くため「人類法廷事務所」を設立。
犯行時に犯人は心神喪失ではない。明確な動機がある殺人であるとして、犯人の過去、動機を暴こうと試みる。

司法への挑戦ともいうべき内容でなかなか興奮する。
人類法廷といっても、決してリンチや闇討ちをする組織ではないのがポイント。
最終的に日本武道館を借りて、公開裁判をするというのが面白い。

海外ドラマの「24」並みの、スピーディーで先の読めない展開となっており、なかなか楽しめる。

ただ、やや荒っぽい部分、登場人物の推理および行動の根拠が乏しい(読者を納得させるには)部分がある。そこが残念。
もっと完成度が高められたはずだ。

人類法廷 (徳間文庫)
人類法廷 (徳間文庫) 西村 寿行

徳間書店 1989-04
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※印象に残ったエロ描写(徳間文庫 P93)
すばらしい尻であった。その尻が男を得て蠢いていた。』

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西村寿行『闇の法廷』

33歳の美女とその取り巻きによる「闇の裁判」を描いた3エピソードを収録。
読み応えがあるのかないのかよくわからんが、お約束のエロ描写は健在でそれなりに楽しめる。

闇の法廷 (徳間文庫)
闇の法廷 (徳間文庫) 西村 寿行


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椙本孝思『魔神館事件 夏と少女とサツリク風景』

椙本孝思の角川書店デビュー作。
(意図してだろうが)典型的な館もの。
ミステリーを読みなれている人からすれば、前半はかなり退屈。
人物が11人が登場&館の紹介と、所定の手続きとはいえ、ちょっと辛かった。

ラスト、謎が解明されぬままページ数が少なくなり、どう処理するのか気になりつつ読了した。
意外性があるといえばあるけど、似たようなネタの作品は他にあるね。
まあでも、無難にまとまっているといえるのではないだろうか?

果菜は、戯言シリーズの玖渚友とモロ被りだね。

魔神館事件―夏と少女とサツリク風景
魔神館事件―夏と少女とサツリク風景 椙本 孝思

おすすめ平均
stars期待とは違うおもしろさ
starsなぜ!「このミス」「本ミス」で取り上げない!?
stars面白い……けど

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装丁のイラストは結構好きかも。

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東川篤哉『交換殺人には向かない夜』

「烏賊川市シリーズ」第4弾。

実をいうと、このシリーズを読もうと思ったのは、「交換殺人」をテーマとした本作を読むためであった。

ミステリの出来としては、さすが東川篤哉と感心するところ。単なる交換殺人ではなく、それを一ひねり、二ひねりしている。作品全体に大きなトリックも仕掛けてあるしね。

やや短めなため物足りなさもある。しかし、新キャラも登場したこともあり、楽しくいい時間を過ごせる(このあたりあまり書くとネタに触れることになるので避ける)。オススメである。

交換殺人には向かない夜 (カッパノベルス)
交換殺人には向かない夜 (カッパノベルス) 東川 篤哉

おすすめ平均
starsユーモアと本格味が堪能できるシリーズ最高作
stars探偵小説興味炸裂
starsライトで楽しいミステリー・・・・?!(;'Д`)ハァハァ
starsやられた! 華麗な大花火のようなドンデン返し
starsえ、と一旦止まります

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「烏賊川市シリーズ」はこれで打ち止めか……。

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東川篤哉『完全犯罪に猫は何匹必要か?』

「烏賊川市シリーズ」第3弾。

本作では、タイトルが内容をダイレクトに表している。このあたり大きな評価に値すると思う。

なお、招き猫と三毛猫については、「招猫倶楽部」というWebサイトに詳しい解説がある。
※招猫倶楽部>招猫研究室>招き猫大解剖>招き猫の眼

完全犯罪に猫は何匹必要か? (光文社文庫)
完全犯罪に猫は何匹必要か? (光文社文庫) 東川 篤哉

おすすめ平均
starsあのトリックを、こう料理するかあ
starsあくまでもミステリ

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文庫版の解説は、霧舎巧が担当している。

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雫井脩介『火の粉』

『犯人に告ぐ』の作者、雫井脩介によるクライムサスペンスである。
なかなか面白かった。
雫井脩介という人はリーダビリティのある本を書くね。こういう本を書ける作家は、確実に売れるね。

本作で描かれるストーキングというか、嫌がらせの構図は、
「(殺人事件の)元被告」→「(その殺人事件で)無罪を宣告した元裁判官」
なのだが、これが新鮮に感じた。なかなか思いつかない設定である。

ところで、本作に登場する元被告(竹内)は、俳優でいうと誰になるのかなあ?
「気が良く親しみやすいが、たまに目が怖い」というと、小林稔侍とか、そんな感じなのかなあ?

火の粉 (幻冬舎文庫)
火の粉 (幻冬舎文庫) 雫井 脩介

おすすめ平均
stars冗長気味
stars人間の弱さ、脆さ
stars自分と他者の人格の評価が著しく乖離している状態は一種の狂気を感じます
stars女性目線
stars動機は人それぞれ…

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東川篤哉『密室に向かって撃て!』

「烏賊川市シリーズ」第2弾。

ギャグも面白いし(二宮朱美との「バイクの修理」に関するやり取りは、思わず吹いた)、密室の本格モノとしてもしっかりしている。

皆、犯人はすぐにわかると思うけど、銃声に関する全貌まではわからないのではないかい?

密室に向かって撃て! (光文社文庫)
密室に向かって撃て! (光文社文庫) 東川 篤哉

おすすめ平均
starsユーモア度はアップも、本格的興趣は薄い
stars設定がいいよね。
starsミステリとユーモアのバランスが絶妙

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北山猛邦『少年検閲官』

北山猛邦の作品というと、大掛かりな物理トリックや巧妙な叙述トリックという印象が第一に来るが、作品ごとに異なる魅惑的な世界観も忘れてはならない。
本作の世界観は、ファンタジー色の強いものだった。語り手が幼い少年ということが、その雰囲気を強めている。
ただ、ファンタジーといっても、21世紀の日本のある町が舞台である。
しかし、その世界には「書物」がなく、そして海面上昇により大地が失われつつあるといった点が異なる。パラレルな世界を描いたものといえる。

「幻想的な謎を提示→意外性のある答えを、探偵が知識と論理で導き出す」といった、島田荘司のいう本格の定義通りの作品で、なかなか楽しむことができた。

オススメできる1冊といえる。

少年検閲官 (ミステリ・フロンティア)
少年検閲官 (ミステリ・フロンティア) 北山 猛邦

おすすめ平均
stars乱歩イズムの継承者
starsここではない世界のミステリー
stars独特な世界観。
stars続きが読みたい一冊

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ミステリの「ガジェット」の話は、RPGっぽかったね。

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北山猛邦『『ギロチン城』殺人事件』

本作の物理トリックは、いろんな意味でどうなのよ?という感じ。悪くないけどね。

真犯人の正体に関する描写はポカーン?
黄金の羊毛亭」さんのネタバレ感想を読み納得できた。
確かに嘘は書いてないが、フェアといえるのかどうか? 
凄いテクニックだとは思うけど。

人物描写を破棄したところは逆に好感が持てた。名前が数詞なのは笑った。

なお、これから北山作品を読もうという人は、なるべく文庫版で読むことを推奨したい。ノベルズ版からかなり加筆・修正されているためである。

ところで、本作は図書館で借りたのだが、その本に数多くの鉛筆書きがされていた。直接ネタを割るようなものではなかったが、いろいろ邪推しながら読むことになった。
『アリス・ミラー城』殺人事件でも同じことがあった。両方とも同区の図書館のものなので、同じ輩の仕業だろう。許せないね。

『ギロチン城』殺人事件 (講談社文庫) 『ギロチン城』殺人事件 (講談社文庫)
北山 猛邦

講談社 2009-03-13
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北村薫『紙魚家崩壊 九つの謎』

表題にある「紙魚家崩壊」ほか、全9編の短編を収録。
小説ではなく、エッセイ的なものもある。

はっきりいって、壁投げ本。

北村薫ファンでないのなら、読むだけ時間の無駄。
(私は、スキップ、ターン、リセットは大好きだけどね)
「北村薫の書いたもの」ではなかったら、世に出ることもないような内容。いくら短編でもこれはないと思う。
もともとは単行本で刊行されたものだが、講談社はこれを今年3月にノベルス化している。よくわかんねーな。

紙魚家崩壊 九つの謎 (講談社ノベルス)
紙魚家崩壊 九つの謎 (講談社ノベルス) 北村 薫

講談社 2009-03-06
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東川篤哉『密室の鍵貸します』

ユーモラスな文体であるため、ミステリーとして少し下に見てしまいがちだが、本格モノとしては十分なクオリティがあり面白い。
タイトルは、映画をモチーフとして扱うことから付けられたものと思われるが、内容に直接結びついているわけではない。そういう意味では微妙なタイトルである。

どうでもいいが、新本格系の作家の賛辞(オビの推薦文など)は、どの程度効果があるのだろう? 最近はマイナスになっている気がする。
※本作には、有栖川有栖の賛辞あり。

密室の鍵貸します (光文社文庫)
密室の鍵貸します (光文社文庫) 東川 篤哉

おすすめ平均
starsきつきつ
stars本格度の高いユーモア・ミステリ〜無条件に笑えます
starsこれは面白い
starsお手軽なミステリ
stars結末が。。。

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霧舎巧『カレイドスコープ島 《あかずの扉》研究会竹取島へ』

《あかずの扉》研究会シリーズ第2作。
本作もなかなか凄いと思う。論理論理で推理を組み立てていく様が見事。わざと間違った推理を提示し、それを破棄、再構成するあたりがよい。

ネットの書評などでは、ラブコメ的雰囲気がムカツクとか、人間が書けてない的な批判が多く見られる。しかし、私的には、まったく気にならなかった。これだけの作品を書ける作者の力量に圧倒させられた。

ただ、人が死にすぎ、嘘ついている人いるとかで、やや混乱。
「船の数」とかよくわかんなかったし。
凄い偶然も作用してるしね。

物足りなさというかちょっとした不満はあるけど、十分に凄い作品だと思う。

それにしてもひどい犯人だ。

カレイドスコープ島―“あかずの扉”研究会竹取島へ (講談社文庫)
カレイドスコープ島―“あかずの扉”研究会竹取島へ (講談社文庫) 霧舎 巧

おすすめ平均
starsなんたる島
stars冗漫
stars霧舎版 『獄門島』

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山科千晶『エンジェル・ウィスパー』

序盤は、ありがちな設定、ありがちな内容だなあと思っていた。
しかし、中盤からはいろんな要素が混ざり合い、どのように物語が展開するのか予測できなくなる。
ということで、期待してさらに読み進めたのだが、後半でガッカリ。
敵の考え・行動が「RPGのラスボスが世界を無に帰す」的で意味不明。何をやりたいのかわからない。
偶然の要素も多いし、ネタの一つがモロに「ひぐらし」なのも気になった。
文章はしっかりした作家だと思うけど、内容は×。壮大なる駄作だと感じた。
作者あとがきに「費やした時間に見合った内容であればと心配です」とあるが、残念ながら作者の心配したとおりとなった。。
あと、非常に誤字が多い。いわゆる変換ミス。メディアワークスがまともに校正をしていないことがよくわかりました。

ところで、山科千晶という人は東京都の職員だったとのこと。私の知り合いの都庁勤務の者は毎日激務、深夜帰宅でクタクタ状態なのだが、投稿小説を書く時間が取れる部署もあるということなんだな。何かを犠牲にして、時間を捻出したのかも知れないが。

エンジェル・ウィスパー
エンジェル・ウィスパー 山科 千晶

メディアワークス 2006-04
売り上げランキング : 149762


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笹沢左保『殺意の雨宿り(霧の晩餐)』

「しばらく『交換殺人モノ』を読んでみよう」ということで、まず読んだのが本作。

本作は、旅先で偶然に出会った4名による交換殺人の物語。

恥ずかしながら笹沢左保という作家のことは知らなかったんだけど、『木枯し紋次郎』の原作者だったんですね。
※Wikiによると、クイズ番組『象印クイズ ヒントでピント』(テレビ朝日)の初代男性キャプテンを務めたとのこと。

さて、本作が私がこの作家に触れる最初の1冊目だ。
なかなかスリリングで面白い。雰囲気もよい。
だけど、やや強引な展開、凄い偶然がどうかと。
結局フタをあけてみれば、なんだかなぁ~という感じ。惜しい作品だ。

殺意の雨宿り (徳間文庫)
殺意の雨宿り (徳間文庫) 笹沢 左保

徳間書店 1998-05
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※本作は、祥伝社から刊行された『霧の晩餐―四重交換殺人事件』を改題し、徳間書店から刊行されたものである。

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宗田理『殺しの交換日記-2年A組探偵局』

宗田理の作品を読むのは十数年ぶりだ。本作は、「2年A組探偵局シリーズ」の作品の一つ。
ジュブナイル的な小説だが、なかなかネタの推測がつかないミステリーだ。スピード感もあってよい。
ただ、ネタが割れると、かなりのガッカリ感を味わうことは間違いなし。まあジュブナイルと割り切れば、いいけども。
(本作の刊行は、1997年と約10年前。その当時には、同じようなネタの作品がいっぱいあったと思われ)

それにしても、本作に出てくる中学生の悪ガキ集団は凄いね。光クラブ事件の連中みたいだ。

殺しの交換日記―2年A組探偵局 (角川文庫)
殺しの交換日記―2年A組探偵局 (角川文庫) 宗田 理

角川書店 1997-04
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霧舎巧『ドッペルゲンガー宮 《あかずの扉》研究会流氷館へ』

第12回メフィスト賞受賞作。
今回は再読である。初読は2005年8月。

これから霧舎巧の作品群を読んでみようと思ったのだが、本作の内容をほとんど失念してしまったため、再読を敢行した。

素人の投稿ということを考えると、メフィスト賞受賞は当然ともいうべきレベルの高い作品といえる。

ただ、私の読解力不足のためか何箇所か???な箇所もあり。

かなりの長編でそこそこ複雑であるため、適当に読んでいると、勘違いをしたり、大事なことを見逃しがちになる。
(もしかしたら、これも作者の狙いの一つか?)

また序盤、比較的ゆる~い始まり方をするのに、探偵役である後藤だけが緊張感ありまくりなあたりに、違和感を感じた。

ドッペルゲンガー宮―“あかずの扉”研究会流氷館へ (講談社文庫)
ドッペルゲンガー宮―“あかずの扉”研究会流氷館へ (講談社文庫) 霧舎 巧

おすすめ平均
stars実際には有り得ない設定
stars娯楽モノとしては十分。
stars推理物ではなく、青春小説として読むと面白いです
stars登場人物が多すぎる
stars本格推理オススメ本

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氷川透『真っ暗な夜明け』

第15回メフィスト賞受賞作。

論理づくしでなかなか楽しい。
ただ、ホームページの更新、ドアの開け閉めうんたらの設定がやや甘く感じた。
あと、終章は入らない気がする。←いまいちなんだもん。

真っ暗な夜明け (講談社ノベルス)
真っ暗な夜明け (講談社ノベルス) 氷川 透

おすすめ平均
stars連続密室殺人の謎を解く!
stars論理の騎士-氷川透

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※巻末の島荘の推薦文、なんじゃありゃ(W

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北山猛邦『アリス・ミラー城』殺人事件

図書館で借りたのですが、本作の最大のネタを割るような鉛筆書きがされていました。最悪です。
具体的に犯人の名前が書いてあるとかそういうのではないのですが、ポイントとなることです。
(そのためその部分に意識が傾いてしまったこともあり、)いろいろ違和感を感じながら読むこととなりました。
その違和感の正体こそが本作のネタであったのですが、読了まで違和感は違和感のままで、ネタの正体に気づけませんでした。
※本作を読んでない人には、まったく意味不明な感想となっております。

北山猛邦というと、どうしても物理トリックだけに目がいきますが、そうではありませんでした。犯人に関する描写、言及が少なすぎるのが、納得しがたい部分ですが。

なお、「黄金の羊毛亭」さんの「ミステリ&SF感想vol.143」
http://www5a.biglobe.ne.jp/~sakatam/book/r143.html
のネタバレ感想に詳細解説があります。すごいです。
(ノベルズ版で読んだのは、失敗だったなあ)

『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)
『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫) 北山 猛邦

おすすめ平均
stars2回読む楽しみ
stars隠れた名作
starsこんな…
starsアンフェアの見本。金返せ。

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図書館本に落書きをしたり、汚したり、折り曲げたりする奴は、ホント最悪ですね。

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西澤保彦『夢は枯れ野をかけめぐる』

高齢化社会をテーマとした6編の短(中)編による連作集。
西澤小説らしい、身近にありそうな、ちょっとした謎を推理するといったもの。
ただ、この謎がどれも面白くない。解明された答えもつまらない。
後半の3作は謎すら登場せず、しょうもない人情ドラマだ。
まったくキレがない。もうだめかもしれんね。

夢は枯れ野をかけめぐる
夢は枯れ野をかけめぐる 西澤 保彦

おすすめ平均
starsかなり地味です

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中島望『牙の領域-フルコンタクト・ゲーム』

最初の方は、シンプルだけどなかなか面白そうなエンタメ小説じゃん!と思って読んでいた。だけど、ストーリー展開があまりにも見え見えな点、また戦闘描写が非常にわかりづらい点から、途中から読み進めるのが苦痛になってしまった。
まあ、戦闘(格闘)の描写というのは非常に難しいと思う。本作では専門用語を丁寧に解説する配慮も見られるが、やはり辛かった。視点(人称)がコロコロ変わるのもつらかった。

これは、小説ではなく、マンガの原作用のプロットならよいのかもしれない。装丁画に漫画家を起用しているが、まさに漫画的な話だからだ。
随所に見られる素人っぽい言葉遣いも気になった。第三章のタイトル「夏なのに、寒い夜」なんて、恥ずかしいよ~。

※メフィスト賞受賞作のつもりで読み始めたのに、そうでないことに途中で気づく。
本作は、メフィスト賞受賞『Kの流儀』の続編とのこと。この作品の出来を知ったあとでは、わざわざ『Kの流儀』を読む気しないし。失敗したなあ。
※中島望は、 『クラムボン殺し』の著者である。
※フルコンタクトとは、空手のスタイルの一つ。

牙の領域―フルコンタクト・ゲーム (講談社ノベルス)
牙の領域―フルコンタクト・ゲーム (講談社ノベルス) 中島 望

おすすめ平均
stars「Kの流儀」の続編

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椙本孝思『THE CHAT Ver2.1』

『THE CHAT』の続編である。あとがきによると、書名をVer2.1にしたのは、メルマガ連載として発表したものを、大幅に加筆・修正したからとのこと。

こちらもなかなか面白い。予想できそうで、予想できないのがよい。
この作者は、もっと評価されてもいいかも。
ただ、話が複雑になればなるほど、「偶然」の多さが気になっちゃうね(登場人物が、「偶然」に驚くシーンも出てくる)。

※以下、ネタバレ気味注意。
●犯人←手間、金、時間のかけ過ぎ。
●性転換したあの人は、また?
●茶谷(本人)が、本名であの仕事をしていたのが、納得いかない。

どうでもいいことだけど、牛乳を飲むシーンが多かったなあ~。

THE CHAT〈Ver2.1〉 (アルファポリス文庫)
THE CHAT〈Ver2.1〉 (アルファポリス文庫) 椙本 孝思

おすすめ平均
starsRe:ナカツカ

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椙本孝思『THE CHAT』

ホラー風のミステリー。
「偶然」が多いが、ミスリードはなかなかのもの。
終盤のどんでん返しもなかなか。
ラストはちょっとなあ~。ラストは好みが分かれるかも。

THE CHAT (アルファポリス文庫)
THE CHAT (アルファポリス文庫) 椙本 孝思

おすすめ平均
stars面白い!
stars面白かった!!

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北山猛邦『『瑠璃城』殺人事件』

200ページ足らずなのに読了まで10日近くかかってしまった。

ダラダラとゲーム(FFCC)をプレイしていたせいもあるが、つまらない&わからないで、とにかくページを繰るスピードが上がらなかった。

トリックは悪くないし、作者がやりたいことはわかるけど、作品として面白くない。
途中からいやいや読んだ。結局よくわからないままの部分もあるが、どうでもいいやという感じ。

いろんなことをやろうとして失敗した典型例といえる。
この作者の作品は、もう少し追いかけてみようと思うけど。

↓よく文庫を出したな、講談社。

『瑠璃城』殺人事件 (講談社文庫)
『瑠璃城』殺人事件 (講談社文庫) 北山 猛邦


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西澤保彦『スナッチ』

西澤保彦久しぶりのSFミステリにワクワクして読んだのだが、出来は良くなかった。
せっかくのSF的設定が、ミステリの中に生きていない。謎解きの内容がこれなら、わざわざこんな設定にしなくてもいいんじゃねーの?と。
あと、序盤、「事件」が起こるまでが無駄に長い。また、医学、健康に関する情報は、船瀬俊介の著作を参考にしたらしいのだが、その内容がトンデモ系なんだよなあ。
「風邪をひいて、のどが腫れるのは、体が栄養を拒絶しているわけ」だから、「食事は摂るな」とかね。まあ、抗がん剤のリスクとかは納得だけど。けどねえ、正直どうかと。

スナッチ
スナッチ西澤保彦


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高田崇史『QED 百人一首の呪』

第9回メフィスト賞受賞作。
これはすごい。メフィスト賞受賞作の中でも、ちょっと抜けているのではないだろうか。

百人一首や日本史に関する薀蓄は、知っている人にはたいした内容と感じないかもしれない。
しかし、知らない者には、それが既存の情報の焼き直しであったとしても、なかなか面白く読める。
ただ、それなりに関心がないと、話の内容についていけない。
漢字だらけの人名や地名などが多数登場するのがつらいんだよな。
独自のアイデアと思われる百人一首に関する謎解きは、素直にすごいと思った。
ほとんど、読み流してしまったが。

(ネタバレとなるが)殺人事件の謎解きについては、「前提が覆す」という手法が、ちょっとどうかなとは思ったが、全体としては十分に面白い。
シンプルな事件ながらも、(やや前半の事情聴取シーンなどの分量が多すぎる感があるが)、様々な謎が絡みあいそれが解けた時は見事なものとなった。

百人一首の謎と、殺人事件の謎を、見事に融合しているかには、やや疑問符がつくと思う。
事件の謎を考えるため百人一首の謎を考えるのだが、中盤は話が百人一首に偏りすぎる。どうして百人一首の謎解きをすることになったんだっけ?とか思ってしまった。
まあ、百人一首の謎解きが素晴らしいからいいんだけね。

とにかく圧倒的な力量といえよう。
この作品についていけないのは、むしろ読者側の力量不足かもしれない。

QED―百人一首の呪 (講談社文庫)
QED―百人一首の呪 (講談社文庫) 高田 崇史

おすすめ平均
stars百人一首に興味をもたせるための本として悪くない。
stars圧倒的な蘊蓄の嵐 次回作も期待
stars堂々たる掟破りっぷり
starsもうちょっとあの時代のことあの時代の人々も知りたかった
stars百人一首の組み合わせではオリジナル説に負けています

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名作、高橋克彦の 『写楽殺人事件』を思い起こさせる出来。

写楽殺人事件 (講談社文庫)
写楽殺人事件 (講談社文庫) 高橋 克彦

おすすめ平均
stars写楽の正体って本当に一体誰なんでしょうね?
starsかなり強引な小説ですが
stars浮世絵勉強会
stars作者オリジナルの写楽説
stars浮世絵よもやま話満載

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北山猛邦『『クロック城』殺人事件』

第24回メフィスト賞受賞作。

これはアタリかな?
世紀末、世界が滅ぶ間近という荒廃した世界観。
そして、霊のようなものを退治できる異能を持つ探偵(女だと思いこんでいた)。
一見SFっぽいが、タイトルから推測できるように、いわゆる「屋敷もの」の本格だ。

ただ、このSF的設定が、結局雰囲気作りだけで、あまり意味を持たないのね。
まあ、いいけど。
あと、大掛かりな物理的トリックが提示されるけど、これある程度わかっちゃうね。
このトリックについては、「窓」の描写が曖昧なのがちょっと気になった。私が読み流しただけかもしれないが。なんとなく全体が荒っぽい。

全体として、それほどいいわけではないけど、十分にこの作家の他の作品を読んでみたいと思わせるレベルだ。
メフィスト賞受賞は当然であっただろう。

「クロック城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-1)
「クロック城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-1) 北山 猛邦

おすすめ平均
stars適性が違うような
stars粗製乱造
starsデビュー作。だけど、秀作。
stars子供の背伸び
starsすばらしいの一言

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高里椎奈『銀の檻を溶かして』

第11回メフィスト賞受賞作。
探偵が「妖怪」という設定だけで十分に面白い。本作に始まる「薬屋探偵妖綺談」シリーズは、すでに10作以上刊行されており、期待ができる。

というわけなのだが、私的には本作は地雷であった。
文章がこなれていない。キャラのやり取りや情景描写がわかりづらい。会話の主体もわかりにくかった。
また、ストーリー自体が面白くない。謎解きは、妖怪の行動と人間の行動の2つに原因を求めるなどの工夫もされている。しかし、謎を解決するに至る過程があまりにも不自然。謎自体が魅力に欠けるのも問題。

ページを繰る速度が上がらず、読了まで4日もかかってしまった。

銀の檻を溶かして―薬屋探偵妖綺談 (講談社文庫)
銀の檻を溶かして―薬屋探偵妖綺談 (講談社文庫) 高里 椎奈

おすすめ平均
stars謎めいた何か
starsワカラナイ
stars第一部完結まで読んでからの感想なのですが
starsティーンズ小説から背伸びしたい人向け
starsノベルズと文庫版では

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今野敏『ビート 警視庁強行犯係・樋口顕』

「視庁強行犯係・樋口顕」シリーズ第3弾である。
本作も、「家族を描いた警察小説」である。
正直、序盤は、ちょっと飽きてきたな……と思った。
しかし、100ページを過ぎるころからは、そのような思いは消えた。
グイグイ読者を引っ張る力がある。一気に読んでしまった。さすがだ。
ラストも非常に爽やかである。

今野敏の小説を読了後、すがすがしさを感じるのは、作品内で登場する様々な二項対立が昇華するからであろう。
かつて若者であった中年、かたや偽悪的になってしまう現代若者。それぞれが悩み、衝突する。そして一部を受け入れあるいは全部を受け入れ、新たな段階に到達する。
そういったドラマを、刑事という特殊な職業人とその家族を軸に描く。ありそうでなかったタイプの小説だ。

なお、本作で一つ不満がある。殺人事件の事実解明を進めるにつれ、銀行のやったことが明るみに出るかと思うのだが。文庫版P500でそのあたり多少言及されているが、ちょっと納得いかないね。

ビート―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫)
ビート―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫) 今野 敏

おすすめ平均
starsバイプレーヤーの魅力
stars二人の息子
stars「自分に自信のない」がゆえに名探偵な樋口顕は、日本人型名探偵?
stars家族と若者文化への問いかけが込められています
stars若者

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佐藤友哉『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』

第21回メフィスト賞受賞作。
いかにも公募作品、いかにも一部の人には受けそうな作品、というのが第一印象。
とにかく、キャラが壊れまくり。ストーリーも壊れている!?

ある人にはライトノベル、ある人には文学、ある人にはバカミスと、受け取り方は様々だろう。
続編も多数出ているが、私的にはパスだな。

どうでもいいが、文中のカッコ書きが多いのが気になった。表現方法の一つとは思うが、小説で多様するのはどうかと。

※偽名、「安藤直樹」には笑った。

フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 > (講談社文庫)
フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 > (講談社文庫) 佐藤 友哉

おすすめ平均
starsミステリ?×文学?×ライトノベル?
stars好きに書いたという感じで
stars暗黒の新青春エンタ
starsついに文庫化

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今野敏『イコン』

1995年、約13年前の作品。
パソコン通信、そしてネットアイドルをモチーフとしている。
発表当時ならば、あまり一般的でないテーマであるが故、良かっただろう。
だけど、今読むとね……。そんな感じです。

イコン (講談社文庫)
イコン (講談社文庫) 今野 敏


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西村京太郎『華麗なる誘拐』

2ちゃんねるのミステリ板のスレッド

五十嵐貴久ってどう?
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1127663841/

で紹介されていたので読んでみた。

西村京太郎作品を読むのは、十数年ぶり。

本作は、1977年、なんと30年以上も前の作品。『恋人はスナイパー(劇場版)』の原作本でもある。
十津川警部ではなく、左門字進という探偵が主人公。
内容的には、誘拐というより、テロの話だ。
「名探偵コナン」にそのまま落とし込めそうな感じがした。

華麗なる誘拐 <新装版> (トクマ・ノベルズ)
華麗なる誘拐 <新装版> (トクマ・ノベルズ) 西村 京太郎

おすすめ平均
starsスケールが大きく、まさに『華麗なる誘拐』♪
stars西村京太郎氏の作品でピカ一です。
starsトラベルだけじゃない。

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