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天祢涼『キョウカンカク』

第43回メフィスト賞受賞作。
「音を見ることができる(視覚として捉える)」ことのできる探偵が登場するミステリー。

ちょっと厳しいねえ。

文章があまりよろしくない。
読みづらい。テンポが悪い。
独自の文体があるというわけでもないのに、こう感じるのは、単に文章が悪いと判断せざるを得ない。
キャラクター造型もありきたりで、評価できない。

肝心の共感覚の使われ方がまたビミョウ。
「殺人者や自殺志願者は、声の色でわかる」というのは、心理状態を読んでるということでは?
携帯の背景音から遮断機の音を聞き取ったのは、単に耳がいいだけともいえる。
このあたりがどうも……。
共感覚ならではのリアリティなのか?はたまた、単に中途半端なのか?
これならいっそのこと、もっとSF的な設定、たとえば匂いを視覚として捉えた井上夢人の『オルファクトグラム』のようにしても良かったのでは?とも思う。

(ネタバレになるが)
動機に共感覚を絡めてきたのは良い。意外性もあった。
しかし、人肉(焼肉)が美味ってのは、ちょっと無理があるのでは?
味の好みは人それぞれかも知れない。ただ、筋や脂の具合の関係もあり、一般的に人肉は美味くないといわれる。犯人は、普通の焼肉のような食べ方を好んでいるわけだから、味覚自体は一般人と同じということなんだろう。このあたりが、いくら「異常」であるとしても、無理があると感じる部分である。

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