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最近読んで、かなりおもしろかった本(人を選ぶ)

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最近読んだもので、超おすすめ(万人向け)

(2007年読了)SF

西村寿行『滅びの笛』

ある日、山中で白骨死体が発見される。
検屍の結果、死亡推定日時は、たったの1週間前だった。
いったいどういうことなのか?

皆さん、この謎が解けるだろうか?

すぐに思いつくのが、強烈な酸で溶かすというもの。
他に考えられるのは、丁寧に肉を削ぎ落とすとか、焼いたあと炭化したものを除去した、とかかな。まあ、そんな低レベルな発想しか私はできません。

さて、よくわからない前置きを書いてしまったが、本作は「ドブネズミ」の大量発生を描いたパニック・サスペンス(クライシスノベル)である。

そう、上記の謎の答えはネズミである。とんでもない数のネズミが人を食い殺しまくるわけだ。本作では、ネズミそして火災から、人々が逃げまどう姿が丁寧に描かれている。政府などの対応もなかなかリアルだぞ。

最近読んだ、石黒耀『死都日本』 や 高嶋哲夫『M8(エムエイト)』 のように淡々と惨状を描いたものではなく、エンタテインメントとして十分楽しめるような工夫があるのも良い(西村寿行らしいネタ満載という意味だが)。

滅びの笛
滅びの笛 西村 寿行


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滅びの笛 (上)
滅びの笛 (上) 田辺 節雄 西村 寿行


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滅びの笛 (下)
滅びの笛 (下) 田辺 節雄 西村 寿行

おすすめ平均
starsまさか現実になるとは...

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レイ・ブラッドベリ『火星年代記』

SFのオールタイムベストに入っている、名作中の名作とされる作品です。

26の短編からなる連作集というスタイルをとっています。ロマンあふれる内容の中に、「人間」というものが描かれていました。

それぞれの短編につけられたタイトルがなかなか素敵です。
「ロケットの夏」
「月は今でも明るいが」
「空のあなたの道へ」
「火星の人」
「優しく雨ぞ降りしきる」
「百万年ピクニック」
など。

結局火星人についてはよくわからないまま終わるのですが、まあこれはこれでいいかな。ラストの台詞はなかなかいいなあ。

火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)
火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)レイ・ブラッドベリ 小笠原 豊樹

おすすめ平均
stars幻実の絵。
stars詩情が煌めく珠玉のオムニバス短篇集
stars世に心を動かされるSFは数あれど
stars幻想の詩人
starsありがちな宇宙もの、ではない

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▼映像化されていたのね。

火星年代記 メモリアル・エディション
火星年代記 メモリアル・エディションロック・ハドソン バーニー・ケイシー ロディ・マクドウォール

おすすめ平均
stars少々お高いが・・・
stars原作への敬意ある映像化
stars昔、昔、僕らには未来がありました。
stars待ち焦がれたDVD化、やっと実現

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ダン・ブラウン『デセプション・ポイント』

大変面白い小説だった。

ここしばらくダン・ブラウン作品を読み続けてきたが、本作が一番だった。
小説のスタイルとしては、他の3作品とは似たものではある(かなり同じ部分もある)。しかし、ラングドンシリーズにあった「一つ暗号を解いたら、次の暗号」といった単純なものではない。一つの謎が解明されることで、より謎が深くなり、また同時に主人公たちに危機が強まるのだ。
また、その危機も、暗殺者といった人的な危機だけでなく、大自然という危機も加わっている。非常にアクション性が高いのもポイントだ。
※その謎自体が、SF的ロマンあふれるものなのもよい。

他作品と同じで、1日強の出来事を描いているが、ホワイトハウスなどを舞台としているので、そのまま『24』として映像化してもよいくらいの作品だ。

序盤、作品の「大きな材料」が提示されるまで、100ページ近くあるので、読者はかなりイライラするかもしれない。しかし、そこからはページを繰る手は止まらなくなる。

1日で読むべきものを、残念ながら仕事の都合でラスト100ページを翌日送りにしたことが悔やまれる。
※いかに巧妙で、狡くない?ミスリードが施されているからは、後々チェックするつもりだ。

とにかく、読んで損のない作品である。

これらダン・ブラウン作品が、私的に予想外の収穫として感じられるのは、翻訳者である越前敏弥先生の力量によるものも大きいだろう。こういう素晴らしい日本語訳をできる先生に、出版社は仕事を振るようにしてもらいたいところだ。

デセプション・ポイント〈上〉 (角川文庫)
デセプション・ポイント〈上〉 (角川文庫) ダン ブラウン Dan Brown 越前 敏弥

おすすめ平均
stars誰を信じたらいいの?!というハラハラ感!
starsスピード感満点!
stars映画化して欲しい
stars流石はエコノミークラスの友ダン・ブラウン、面白い
starsアメリカのやりそうなこと

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デセプション・ポイント〈下〉 (角川文庫)
デセプション・ポイント〈下〉 (角川文庫) ダン ブラウン Dan Brown 越前 敏弥

おすすめ平均
stars誰を信じたらいいの!?というハラハラ感!!
starsNASAねえ・・・
starsダン・ブラウンというひと
stars苦しい言い訳
starsさらに加速!

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■メモ 隕石について
・隕石には、ニッケルと鉄の合金、ケイ酸塩、硫化物が様々な割合で含まれている。
・隕石は、金属とケイ酸塩の比率により分類される。大きく分けて3種類。
①鉄隕石
②石鉄隕石
③石質隕石(全体の90%)
・隕石には、直径1ミリ程度の粒がある。これは、球粒と呼ばれるもので、隕石特有の物質である。
・隕石には、大気圏落下時に燃焼することで、溶融殻と呼ばれる炭化層がある。

広瀬正『マイナス・ゼロ』

「時間旅行~タイムトラベル」さんで、おすすめとして紹介されていたので読んでみました。
いやあ~、日本にもこんな素敵で完成度の高いタイムトラベル小説があったのですね。

本書は、SF誌『宇宙塵』に連載され、1970年に単行本として刊行された作品。
タイムマシンを巡る、ある男と女の波瀾万丈な人生を描いた物語。

複数ある伏線が、ラストで見事にまとまっていくという緻密な論理的構成力は見事である。

また、文章も非常に読みやすいので、一日で読了できるはず。というより、内容が複雑なだけに一日で読了すべき本と思う。
残念ながら、私は他ごとで忙しかったために、5日もかけてダラダラ読んでしまった。こういういい作品に出会った時に、こういう読み方をしてしまうと、本当に残念な気分になるね。

なお、読書後に?な人は、「金井の杜」さんにある、『マイナス・ゼロ』年表を見てもらいたい(プロフィールページの「趣味」の「広瀬正」から行ける)。うまい具合にまとめてくれているので、頭の中がスッキリしますよ(特に禁断のネタを使用している部分と伊沢先生に関するモヤモヤが解消する)。

残念なことに、この作品は現在入手困難である。図書館で借りるなどして読んでほしいと思う。

昭和の風俗描写がややダルイ、12進法の説明わかりづれえよ、とかあるかも知れないけど、タイムトラベルものが好きな人は読んで損はないと思う。
にしても、30男が17歳の娘になんてことを、いつの間に!って感じですよ。あ、それから、あの警官……(W

マイナス・ゼロ
マイナス・ゼロ 広瀬 正

おすすめ平均
stars日本の時間SFの最高傑作
stars素晴らしい小説
starsタイムマシンを扱いながらも矛盾点が無い
stars時代が追いついてきた!
stars誰か映画化して下さい

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スティーヴ・オルテン『邪神創世記』

本作は、『蛇神降臨記』の続編にあたる。またこのシリーズは、全三部作と公表されているので、「邪神シリーズ第二弾」とでも呼んでおこう。
※1作目は「蛇」で、2作目は「邪」。

個人的にはなかなか面白いと思える作品、私は好き。

特に「エヴァ」「ナディア」「イデオン」などの、『人類のルーツ系SF』にハマった人ならなかなか楽しめると思いますよ。
胸部に「零点エネルギー」の結晶を持つ蛇のようなモノなんてのは「第四使徒シャムシエル」みたいだし、「リリス」という名の女性も出てくる。また、誰が作ったかよくわからない謎の宇宙船「バウム」は、「ソロシップ」のよう(W

Googleで「邪神創世記」と検索してみたのだが、この本についてかかれたレビューは数サイトしかなかった。あまり知られてないんですね、もったいないなあ。

前作の『蛇神降臨記』は、「超古代文明疑似科学SF」というものであった。本作ではそういったベースに、オカルト、キリスト教、道教、バイオテクノロジー、少林寺拳法、ワビ・サビ、地質・気象学など、様々な面白ろエッセンスを詰め込んである。
まあ、読んでいてちょっとやり過ぎだろ、という気もしてくるけどね(W
※著者あとがきによると、様々なスタッフ(科学の専門家)などが本書の制作に関わっているという。

ということで、面白いです。しかし、それなりに欠点もあるかと。
実は、上巻は1日で読んだけど、下巻を読み終えるのは5日もかかった。これは全然読書に身が入らず、2時間で8ページしか読めなかったというような、私の心理状態が最大の理由(いろいろ、最近イヤなことがあったんですよ)。
他に理由を挙げると、
①サブプロット(火山やハリケーンの描写など)などで、科学的専門用語の解説が多く、ちょっと退屈な点。
※「ハリケーンを攻撃して弱体化させる」というような話が出てくる。内容的には面白く飽きさせないんだけどね。
②オルテンの作品は、各章がさらに細かくわかれていて、様々な人物の視点で書かれている。それ故、かなりブツ切れ細切れ感がある点。
③戦闘やアメフトの描写がわかりにくい。特にネクサスの描写が絡むとわけがわからなくなるしね。特に最後のほうは、わけがわからん。
といったところか。

本作では、 『蛇神降臨記』でぼやけていた部分が、ある程度はっきりする。だけど、終盤にちょっとしたどんでん返しを入れたことで、物語の世界観が観念的なものになったのは、なんだかなあ~と思った。「敵」というものがイマイチわからんし。やっぱイマイチ整理がついてないような…… 私のアタマが整理ついてないだけかもしれないけど。

ところで、邦題もイマイチだねえ。もうちょっと気の利いたタイトルをつければもっと売れるのにねえ、文藝春秋さん。
まあ、原題が1作目「Domain(領域)」、2作目「Resurrection(復活)」なので、これに比べれば、内容的には適切な表現だと思う。

いろいろ?な部分もある作品だが、完結編が楽しみなところである。

■ネタバレぎみ参考(意味不明のメモ書きです)
マヤ文明……メキシコ南東部、チチェン=イッツァ、クルルカン
アステカ文明……メキシコ中央部、ケツァルコアトル、テスカトリポカ

(3次元)※タイムループ
6500万年前(恐竜絶滅)→古代遺跡の時代→2012年→2032年→ニューエデン→シバルバー→6500万年前(ワームホールにより移動)……
※テスカトリポカによる移動あり

超人→ポストヒューマノイド→守護者→ネピリム・猿人とポストヒューマノイドの交配による人類の生成→人間→ニューエデンに行った人間→超人……
※フン・フンアフプー遺伝子の埋め込みあり

(4次元)
ワームホール、テスカトリポカの口→シバルバー・ベー/ネクサス/デブリン、リリスらの想念→神の世界、死後の世界

邪神創世記〈上〉 邪神創世記〈上〉
スティーヴ オルテン Steve Alten 野村 芳夫

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邪神創世記〈下〉 邪神創世記〈下〉
スティーヴ オルテン Steve Alten 野村 芳夫

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スティーヴ・オルテン『蛇神降臨記』

最近「あるあるねつ造」の関係で、「疑似科学」なんて言葉が注目されています。

本書は、ナスカの地上絵やストーンヘンジ、そしてピラミッドなど数々の古代遺跡の謎をテーマとした、疑似科学(トンデモ学説)なエンターテイメント大作である。

古代史に関する事実に、オルテン独自のアイデアを織り交ぜている。いやあ~、こういうの楽しいです。わたし大好きです。エンターテインメントの疑似科学は最高です!
『星を継ぐもの』『ナディア』を思い出さざるを得ないミッシングリンクの話、また物語序盤の「恐竜を死滅させた隕石とされていたものは、実は異星人の宇宙船が墜落したものだった!」というあたりは、血湧き肉躍る面白さを感じた。

ただ後半、やや無理が生じているというか、設定がいまいち整理されてないように感じた(特に異星人関係ね)。突っ込みどころ満載。説得力に欠ける。
物語的にもグダグダ(ジェットコースター的小説ではあるんだけど)。読むのもグダグダになる(1週間もかけちゃった)。
終盤も精神世界チックの描写だしねえ~。なんで、こういうのがカッコいいと思うのかなあ?

というわけで、そこそこ面白いんだけど、なんだか消化不良な作品でした。

蛇神降臨記

蛇神降臨記
スティーヴ オルテン Steve Alten 野村 芳夫

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↑2012年12月17日に、サダム・フセインは撲殺され、その2時間後に金正日が自殺すると書いてあった(W

なお、この本の古代史絡みのアイデアの多くは、グラハム・ハンコックの『神々の指紋』などに基づいていると思われる。『神々の指紋』大ベストセラーになりましたね。まあ、いろいろ叩かれたけど。

神々の指紋 (上) 神々の指紋 (上)
グラハム・ハンコック

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クリス・ボイス『キャッチワールド』

もし、あなたが、SF小説は滅多に読まない、ギブスンなんて聞いたことねえよ、相対性理論とか言葉は聞いたことあるけどねえ~、というようなら、本書は絶対触れない方がよい。

しかし、書評サイトやAmazonの評価などは非常に高い。
だから、面白いんでしょ?オススメなんじゃないの?
と思われるかもしれない。
しかし、それでも私はNOといわざるを得ない。
なぜならば、内容が難解で理解できず、面白くないからだ。

勉強と同じで、わからないものは、つまらなく感じるのだ。
(教師は、子どもが何がわからないのか?どうわからないのか?を理解しようとしない。それが、教育における大きな問題点であると、私は思っている)

さて、本書が難解というのは、元々わけがわからないものなのか? 訳がクソなのか? それとも私の頭が悪いのか? おそらく、全部だと思う。

まあ、私の場合『月は無慈悲な』だけでなく、『虎よ!虎よ!』や『ニューロマンサー』なども途中で投げ出したヘタレなので、到底無理だ。以下、私の頭の悪さ、読解力のなさを棚に上げた上で、書かせてもらう。

本書は、筋を追うことはそれほど難解ではないし、会話の続くパートも比較的読みやすい。訳についても、矢野徹のようなクソ訳ではない。

ただ、とにかく説明不足なのである。あえて、読者に説明を行うという小説的手続きを省いているのではないかとすら思う。

特に前半、宇宙船や航宙の描写などに、難解な用語が多数登場して、よくわからない。そして、その説明がほとんどない。

この点で例を3つ挙げると、
●「バウル」について……初出に「素朴な円筒形の可動性のオートマトン」とはっきり説明されている。しかし、世の中に、「オートマトン」の意味をわかる人がどれだけいようか?
情けないことに私は知らなかった。なので、船外活動に使う(ロボ型の)乗り物のようなものと読み誤り、途中から艇内の作業・管理ロボットのような扱いになっている点に、戸惑ってしまった。
●「ゲルマニウム」について……ゲルマニウムはもちろん元素のことだ。そして、それは金属的なものではあるということは何となく想像がつくだろう(ただし、本書読書中は、その情報過多さに翻弄され、このことに気づけない可能性もある)。
本書では、ゲルマニウムを人体に定着させ、それを媒介として、MIがクルーの精神を読むという素晴らしいアイデアが出てくる。しかし、このアイデアに感動できるのは、ゲルマニウムが、「トランジスタの原料として使用されていた」という知識を持つ人に限られるのではないか?
電子工学などの知識を持たない者にとって、ゲルマニウム沈着から引き出されるアイデア(機能)を、理解することは難しい。一切説明なしにいきなり出てくる点が、残念だ。
●「プサイ」について……初出では、「psi」にルビが振られた形ででてくる。そして、「esp」と並列的に書かれているから、なんとなく超能力的なものであると想像することは可能だ。だが、普通の読者にはなかなか辛いのではないだろうか?
※Wikiによると、プサイとは、ギリシア語アルファベット「Ψ」とある。量子力学における波動関数を表す記号でもある。そして、心理学 (psychology)と超能力 (psychic ability/power) をあらわす包括的な単語・記号であるとのことだ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Ψ

また、一見個性がありそうで、実は単に駒に過ぎないキャラ設定も、混乱さを増大させる。
いきなり物事が展開していることも多い。それに気づけないのである。
さらには、文脈を読み取れないため、ストーリー自体は複雑ではないのに、キャラの行動や思惑が意味不明に感じ、読書において指針を見つけられないのである。
※このあたりは こちら を参照。

これは、単純に小説としての問題かもしれない。とにかく、いろんな意味で読者を置き去りにして、物語は進んでいくのだ。終盤は、観念的・哲学的・抽象的描写が増えるため、科学的用語で苦しむことは減るが、これはこれでキツイと思う。

読了するのに、1週間近くかかってしまった。アイデアSFとのことなので、意地でも最後まで読もうと毎日電車・トイレで格闘続けたが、大変な苦行であった。

ストーリー的(アイデア)も、ベイリー作品などに比べると、それほどすごいかな?と疑問に思った。30年前のものと考えるとすごいが、独創的なアイデアをたくさん詰め込んでいるというより、単にいろんな要素をつめこんで、ゴチャゴチャになっている(それを最後に一緒くたにしてまとめている)だけという気がする。
あまりにも壮大なスケールの物語に、魔術とか考古学を持ち出してきたのも、余分な気がした。

ハード描写はきっとすごいんだろう。科学の先見性など優れた部分もあると思う。また、本作が数々の作品に大きな影響を与えているとも思う。<大自我>だとか、リリスだとか、私の大好きな『エヴァ』や『イデオン』にの原点になったと目することができる。
だから熱心なファンがついているのだろうとも思う。

このように、よくわからん作品、また抽象・観念論的作品は、「よくわからんけどなんか格好いい!」と思わせることが重要だ。たとえば、『2001年宇宙の旅』(『幼年期の終わり』)のラストの、モノリスやスターチャイルドの描写。わけがわからんけど、あれはカッコいいじゃないか!
だけど、本作にはイマイチそれが感じられなかった。とにかく、わからなさすぎた。

人それぞれ、作品に対する感じ方、評価は異なるであろう。ただ、私は、万人が読んで(広義の意味で)楽しめる作品、それこそが商業小説だと思う。
それ故、本作は商業小説として成功しているとは思えない。ある意味、ミニコミというかその手の世界では、神レベルといえるような小説だ。(誤解のなきよう)

解説の安田均によると(彼も、一度途中で挫折したらしい)、本書は、小説コンクールで大賞をとった作品だとのことだ。なるほどなあ、と思った。大御所の作家が書いた小説ならともかく、そうでない作家が、いきなりこんな原稿を送ってきても、編集者は突き返すよ。そして、そのまま世に出ないまま終わる可能性大だと思うよ。
本作に触れて、Amazon.co.jpの評価が、いかに当てにならないかということがよくわかった。レビュアーの一人は、中学生時代に読んだと書いてある。天才じゃないのか?

とにかくレベルの高い読者には「すごい!」と言わしめる本作は、傑作になり損ねた大作といえるのではないだろうか。

ある程度SF作品(ハードSF、サイバーパンク)に強い方、理系の方には、是非味見してもらいたい。万人向けとは言い難い本作は、普通の人にはオススメできない。途中でイヤになる可能性大!

ところで、早川書房は、なぜ前ソデに登場人物一覧を入れないのか?(本作ではあまり意味ないかもしれないけど)
このあたりの不親切設計も、非常に残念である。

どうも名作海外SFを読むだけの能力が私には欠けているようなので、しばらく早川の海外SFは手を出さないことにする。

なお、本書の読解に当たっては、下記のサイトを参考にさせてもらった。このサイトには、作品や「憂国」の構造に関する詳細解説がある。このサイトの作者さんは、宇宙関係の技術者さんだ。やっぱ、理系の人で、相当頭良くないと、この本はすごい!という風にはならないと思う。

長くなったが、最後に一言。

ネットで、この作品が大好き!と書いている人はきっとアタマ良いんだと思う。羨ましいなあ。私も、この作品を楽しみたかった。
ずっと先に、この作品を改めて読んでみようと思う。たぶん理解できないだろうが(W
実は、今日近所の古本屋で315円で本書が売られていたのだが、それを購入してしまった。なんだんだろうか、私は(W

■参考リンク 航天機構
「"キャッチワールド"解説と私的解釈」
http://www2a.biglobe.ne.jp/~mizuki/book/catch.htm
「「憂国」艦構造解釈」
http://www2a.biglobe.ne.jp/~mizuki/book/catchmek.htm

キャッチワールド
キャッチワールド クリス・ボイス 冬川 亘

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stars最高レベルのSF
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